NTT分離分割よもやま話(1999.7.1)



再編直前のNTT株主総会

 NTTの第14回定時株主総会が99年6月29日、東京都内のホテルで開催された。NTTは99年7月1日の再編によって純粋持株会社となるため、事業会社としては最後の株主総会になる。ピーク時で2028人の株主が、最後の議決時には1815人が出席した。


やはり、株の過半数の持ち主が大蔵省というのは尋常じゃないよね。
ただNTT自身としても、やりにくい反面、庇護も受けているわけで、その意味では現状やむなしとするしかないのかも知れません。
でも、何かの都合でいっせいに大蔵省が市場に放出したりしたらどうなるのだろうか。
結構、海外の投資家とかが買いあさったりするのでしょうか。それは結構大事かもしれない。




NTT長距離、市内参入宣言!

「東西地域会社に遠慮はしない」
新社章に旧NTTの面影なし


この場合、やっぱり電話番号の頭に「00XX」とかつけるんでしょうか?
地域会社に対して「不公平だ!」なんてことになったりして。
まあ、優先接続施行後だと思いますのでそんな心配はないでしょうが。



「NTT東日本」が発足記念式典

「厳しい時代ですが,みなさん,へこたれずに頑張りましょう」

なんとなく、おかれた立場が滲み出ているように思います。



持ち株会社の新たな悩みの種

地域会社にとって頭が痛いのが,NTT長距離(NTT-C)の市内通信進出。NTT-Cの鈴木正誠社長は,「(加入者系無線アクセスシステムなどの)新しいローカル・アクセスの方法も出てきている。これらを検討対象の外には置かない」として,市内進出の意欲を表明している。
しかも,「NTTグループ内で(事業領域の分担を)コントロールするのかと問われれば,何もないと申し上げる」として,独自の判断で事業領域を拡大する考えを示している。東西の地域会社と真正面から競合する。
 グループを統率する持ち株会社が,これを問題視したのは言うまでもない。自前のアクセス回線を持たなければライバルに太刀打ちできないとするNTT-Cに,持ち株会社側は光ファイバの保有については断念を迫り,無線だけに限定するよう求めたという。ただ,こうした調整が度を過ぎれば,各社の競争力を著しく低下させる恐れもある。NTTグループの前途は多難である。


まあ、自由競争と規制統率の両方をうまく共存させようとしているのだから難しいにちがいないでしょう。
ただ、持ち株会社という存在、今後の日本経済においてかなり興味深い組織構造であり、今回のNTTのケースが一つの指標となるかもしれません。



NTT、定額料金制4サービスを発表---ISDN料金の“半固定制”も導入へ

今回の分割を機に、NTTは今後提供する定額料金制として4サービスを発表した。
(1)定額制IP接続サービス
(2)学校インターネット用割引サービス
(3)市内定額型割引サービス
(4)ADSL(asymmetric digital subscriber line)を利用したインターネット用アクセス回線サービス

(2),(3)は9月にも本サービスを開始,(1)と(4)は99年中に試験サービスを始める。値下げは,市外電話と専用線に関して今秋に実施する。

目玉は、1万円程度の完全定額制でインターネットにIP接続するサービスだが、市内通話の定額割引サービス、学校用インターネット割引サービス、電話線で高速通信できるADSLを使った定額料金サービスも導入する予定だ。ただし、ADSL(非対称デジタル加入者線)以外の3サービスは、いずれもISDN回線用のサービスで、アナログ回線では使えない。また、一般ユーザー向けの市内定額型割引サービスを除いては、試験的なサービス提供となる。

庶民の感覚からすると通話料だけで1万円はやっぱりまだ高いなあ。5000円くらいならちょっと考えますが。
この1万円の中に、通信料とインターネット接続料が入っているのであればまだましですが、インターネット接続料は別ならやっぱり一般の家庭では難しいと思います。
インターネット接続料込みで5000円ならうれしいんですけどねえ。

新しいISDNの割引サービスの料金プランが2つ発表された。あらかじめ登録した市内の電話番号1つに対して、(1)月額1500円弱で15時間まで市内通話がかけ放題になるプランと、(2)月額3000円程度で35時間まで同じくかけ放題になるプランだ。それらを超えた場合は、通話時間に応じた料金がかかる。

「〜まで〜放題」という日本語の怪しさはおいといて(笑)、これは昔あった(実は今もあるが売れていない)「テレチョイス」というリーチアウト型サービスの変形版と見ることもできます。

学校インターネット用割引サービスは,一定時間まで定額で利用できる準定額型のISDN用の割引サービス。
前者は利用者を学校に限定したサービスで月間100時間まで8500円。


教育機関にはできるだけ安い料金で提供していく必要があります。その意味でこのサービスはすばらしい一歩ですね。
NTTがやれば他の事業者も追随します(悲しいことですが)。

ADSLという新しい通信方式を使ったデータ通信サービスを年内をめどにスタートする。ADSLは既存の電話回線を使いながら、ISDNよりも高速に通信できる技術。いくつかの方式があるが、NTTが採用したのは送信は200kbps、受信は500kbps程度というもの。受信速度は今までのISDNに比べて8倍程度高速になる。こちらも料金は、定額制となる。

むしろこちらの方が興味深いですね。
まずは企業向けだと思いますが、この辺を低額でさらりとサービス提供するのがNTTなんですよね。



ライバルたちの反応

KDD
「NTT再編成は,ここ数年進められてきた『第二次情報通信改革』の総仕上げと言えるもので,我が国の電気通信市場における競争は完全に新たな段階に移行した。今後は各事業者の競争をいっそう活性化するために,自由で公正な競争市場が確立されることが重要だ。」

DDI
「今回の再編成で,15年間議論してきたNTT問題は東西地域会社,長距離会社に分離分割された形で一応決着したように見える。しかし実際は,持株会社がグループを一体運営するため,NTTの市場支配力はむしろ強くなってしまった。公正競争条件を整えるという目的は達成されなかった。」
「(今後は)公正取引委員会にも申し入れを行い,新たな競争ルールの確立に努めたい。」

OMP(大阪メディアポート)
「NTT西日本が大阪に本拠をおけば,関西経済が大きく刺激されるだろう(と歓迎)。」
「電力系NCC10社で連合したパワーネッツジャパンを柱として,将来にわたってNTTグループに対抗していきたい」

電気通信に関するお話へ
GLORY's OFFICEへ

Copyright(c)1999 by glory