ERP業界動向
(ISACA1997年12月例会より)

★ERPとは
 Enterprise Resource Planningの略
 ・企業の基幹業務を対象としたソフトウェアパッケージ
 ・歴史的にはMRP(資材所要量計画システム−生産管理−)から進化
 ・主たるベンダーとしては、SAP、BAAN、ORACLE
   最近では複数のベンダツールを混在で使うケースもある。
   (例:会計はSAP、製造はBAAN)
 ・主な導入目的
   従来の業務システムの再構築
    生産性の高い開発ツールとして
   BPRの実現のための業務改革→実はこれが先
    業務改革を前提
   グローバルスタンダード対応システム導入
    2000年問題/国際会計基準
   企業買収、合併による新システム構築
 →スピード経営を目的とした導入。
  何のために入れるのかが肝要。

★ERP導入の現状
 ・大手企業を中心に高い導入意欲
   しかし、長期化する導入期間と非常に高いコスト
   →最短で半年(ただしノンカストマイズ)。
    導入まで2年、作り込みに1年というケースが多い。
   →導入コスト3〜5億程度。多いところは10億も。
   →日本の場合のコスト分布
     ハードウェア(ネットワーク含む) 25%
     ERPライセンス         25%
     開発(カスタマイズ、コンサルほか)40%
     メンテナンス、サービス      10%
    開発の比重が高く、信頼できるパートナー選びが重要となる。
 ・明暗わける結果
   成功例:短期導入、稼動による投資回収と業務改革
   失敗例:過度のカスタマイズによる開発長期化
       BPRによる業務変更への抵抗
 ・成熟する製品選択基準
   機能比較からベンダ比較(ビジョン、財務内容)へ
   販売力から開発・サポート力
   →業務は生きているため、機能面での比較は不可能に近い。
    ベンダの企業体質が重要な選択ポイントとなっている。
 ・複数ベンダ選択の標準化
   CORBA技術の利用

★ERP業界動向
 ・拡大する日本市場
   ライセンス:1000億円市場(2000年)
   ERP関連:5000億円市場(2000年)
 ・勝ち残りベンダがほぼ確定
   SAP、BAAN、ORACLE、PeopleSoft、JDE
 ・SAPシェアの低下
   国内70%、世界50%
   →製造/物流に若干弱いのと導入後の変更が難しい点が理由

(感想)
講師がBAAN社の方であったため、多分にBAAN社製品の宣伝になっていたが、ERPをほとんど知らない私にとっては、概要をつかむにはよい内容であった。
結局のところ、ERPだろうと従来からあるカスタムメイドのアプリケーションだろうと本質は同じ。
単にERPを入れればよいというのではなく、そのための業務改革をしっかりやり、企業の体質を変え、経営スピードのアップを図ることが第一義となる。
昔からの慣習や外部との標準化も無視された業務フローに合わせてカスタマイズを繰り返すようであれば、ツールを導入するメリットはない。
ERPを入れるだけ無駄でしょう。
あと、複数ベンダのツールを混在で使用するという点は非常に興味深い。ただユーザの負荷は相当なものになる気がする。
その辺の意味も含めて、導入に伴うプライムコンダクタの役割はきわめて重要。外部コンサルの選択が成否を分ける。

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