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「IT革命
-ネット社会のゆくえ-」
西垣通著,岩波新書,700円
もうさんざん言いまわされた「IT革命」という言葉。
そのものずばりをタイトルとしたこの書。ちょっと手にとるのが気恥ずかしい気もします。
ただ,内容は実に充実。
ブロードバンドが今後普及していったとき,産業構造はどうなっていくのか,そしてそれは人間の生活にどういう影響をあたえるのか。
かなり核心のところが簡潔に整理してかかれているのが非常に好感が持てます。
IT革命なんてまだはじまったばかり。マスコミは,「IT革命はバブルだった」「IT革命の終焉」なんてはやしたてるが,それはITをバブル景気と同じように考えていた人たちが勝手に盛り上がって,少し飽きてきただけのこと。本当のIT革命はこれから大きく展開していくのですね。
ITと人の関係,かかわり方なんてのが出てきます。コミュニティとアソシエーションにITがどうかかわるのか。まだ見ぬ世界のことだけに私自身も非常に興味深いのです。
「IT革命の虚妄」
森谷正規著,文芸新書148,660円
ばら色のごとく喧伝される「IT革命」という言葉。しかしその実体はどうなのか?「革命」の成果は本当にわれわれの暮らしにメリットをもたらしてくれるのか?そういった視点から展開される論述である。
基本的には,ITをどのように利活用するのか?というのがベースにあるわけで,その論調は正しいと思う。マスコミや政治家がよく分からないままにはやし立てている姿勢に対する疑問も非常によくわかる。でも,なんとなくこの方の論に素直に賛成できない。
なぜか?
それは「ならば,こうしよう」がないからなのである。批判をするが,その代替案というかポジティブな視点が非常に弱いのだ。これでは使えない。結局何がしたいのか?何なのだ?最後の結論も,極々当たり前のことしかかかれてなく,あまりに薄い。
「ITコーディネータのすべて」
MC-2000 ITC研究会編,日本工業新聞社,2000円
今年から新設される「ITコーディネータ」。この資格をわかりやすく説明し,資格取得に必要な知識とスキルを「経営」「情報技術」「コミュニケーション」に分けて説明しています。
これからITコーディネータを目指そうという,特に若い技術者志望の方にお勧めです。
「
中小企業のためのIT攻略読本」
上村孝樹監修、IT活用研究会編,タスク・システムプロモーション、1200円
中小企業のIT化は非常に難しいといわれています。というのも,それぞれのケースが特殊な場合であり,「こうすればうまくいく」という定型的な解が出しにくいというのが大きな理由です。さらに,企業の文化,特に社長の考え一つでどの方向にも振れる訳で,ITというよりも人の世界での苦労が大きいというのが実情のようです。
そんな中小企業にもIT化の波は容赦なく押し寄せます。対応しなければ,企業の生死にもかかわるのですから,本気で考えざるをえません。
そうなのですが,じゃあどうすればいいのか?中小企業の経営者は頭を痛めています。人材は?資金は?
そこで,より効率よく,また手っ取り早くもうけるためのIT活用はどうすればいいのか?そういった視点でのIT攻略を段階を踏みながら分かりやすく説明したのがこの本です。
第一章 システム化を考える前に
第二章 システム化に取り組む
第三章 システム開発の発注先を検討する
第四章 実際に発注する
第五章 システムを構築/検収する
第六章 システムを運用する
という章立てで,70のQ&A形式で読みやすい構成です。
実際の企業経営におけるIT化という意味では,ケース数は全然足りないかもしれませんが,しかし本質的なところは押さえてあるので,きっとなにかのきっかけにはなるはずです。
「ITコンサルタント入門」
小山仁著,アスキー,1800円
ITコーディネータの教科書として、ぴったりの1冊です。コンパクトにまとめられており、オフィシャルなテキスト(膨大な量)を見てうんざりしてしまうよりは、この1冊をざっと通して読んで、大まかな流れをつかむのがベストだと私は思います。
特に、全編をとおして左側が図解、右側が本文という構成が、大変読みやすくてよいですね。
第1章 ITの活用こそが日本企業を救う
第2章 ITコンサルタント(ITコーディネータ)に求められる前提知識
第3章 ITコーディネーションに必要な3つの能力
第4章 経営戦略策定フェース 〜企業の経営改善をITで実現する
第5章 戦略情報化企画フェース 〜経営戦略に沿ってIT導入計画を練る
第6章 情報化資源調達フェーズ 〜戦術計画を実現するための経営資源の調達
第7章 情報開発・テスト・導入フェーズ 〜契約書をもとに実装プロセスをモニタリング
第8章 運用サービス・デリバリーフェーズ 〜高度な組織化による矛盾のないフォロー
第9章 いま注目のITコーディネータとは?
「ITコンサルティング」
松下芳生著、PHP、1500円
コンサルタントである筆者により,社外コンサルタントの立場から書かれている内容であるが,いわゆる企業内の情報化推進の立場の人にも大いに参考となる点が多いと思います。
例えば,提案をしてスケジュールとその後の作業担当を明確に定義するところまでがコンサルティングの仕事,とはっきり書いてあったりするわけですが,その後の実施する段階においてもこの最初の定義やコンセプトをしっかり認識しておくことは非常に重要です。
また,インタビューのテクニック(二人で行って一人は話しやすい状況と信頼関係作り,もう一人は筆記と聞きにくいことを突っ込む憎まれ役)という点は実際のインタビューにおいて非常に役にたちそうです。
さらに最後の5つのアドバイスが秀逸だと思います。
序章 これからのビジネスを支えるマインドとスキル
第一章 ITコンサルティングの本質と役割
1 報告書一枚あたり一〇万円の価値!
2 仕組み作りにこそ価値がある
3 プロジェクト成功への道筋
4 見知らぬ世界の状況把握から始める
5 プロジェクトが揺らぐ厳しい時期がある
6 プロジェクト推進中に転換点がくる
7 ”仕掛け”て全社の合意を得る
8 活動を確実にする実行計画を立てる
9 企業を変えるという醍醐味がある
第二章 ITコンサルティングの作業ステップ
1 ITコンサルティング誕生の背景
2 戦略的情報化システムを立ち上げる
第三章 ビジネス・モデルを探る四つの分析手法
1 4C分析でビジネス・モデルを表す
2 CSF分析で成功への道筋をつける
3 ビジネス・システム分析で目標を達成する
4 アクティビティー分析でビジネス・システムを築く
第四章 ITコンサルティングのテクニック
1 問題を構造化していく
2 インタビューのテクニックを身につける
3 効果的なプレゼンテーションを組み立てる
4 説得方スピーチを展開する
5 ビジュアルでコミュニケーションする
第五章 IT変革で求められるマインドとスキル
1 CRM成功の三つのポイント
2 コスティング成功の四つのポイント
3 SCM成功の三つのポイント
終章 ITコンサルティングの五つのアドバイス
ITに頼らない
正解は自分でつくる
企画は制約から入らない
ビジネスなら金額に置き換える
リスクテイクなくしてなにもはじまらない
「IT戦国時代」
根津利三郎著、中央公論新社、1700円
かつて通産省で、通信政策に携わった著者が、現在の日本の立場と今後の予想を加味しながら 進むべき方向性のいくつかを示している。
ポイントは次の4点
・総花主義と「選択と集中」
・割高な通信インフラ
・問題先送りの癖
・ソフトに弱い日本
IT革命の表面的なところの議論は、もうそろそろいい加減にしませんか。
「ITソリューション」木村博光・高島利尚編著,同友館、3200円
中小企業診断士またはITコーディネータを目指す方々にはお勧めの一冊です。経営戦略からはじまって、ITに関する課題をあげ、それぞれ最適な解決法を示してくれています。実例という意味では物足りないかもしれませんが、王道としてのセオリーや考え方というものは、必ず必要だと思いますので、その面で本書は生きてくるはずです。
「ITマーケティング」
ハーバードビジネス・レビューブックス、ダイヤモンド社、2200円
タイトルは「ITマーケティング」とありますが,実際には「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」「マス・カスタマイゼーション」に関する論文集です。もちろん,これらを実現するためにはITは必須なので,ITマーケティングでもまったく差し支えありませんが。
序章 マス・カスタマイゼーションの時代
ジェームズ H.ギルモア,B.ジョセフ・パイン2世
第1章 製造業を変える四つの概念
ピーター F.ドラッカー
第2章 多様化時代のマーケティング
レジス・マッケンナ
第3章 [入門]ワン・トゥ・ワン・マーケティング
B.ジョセフ・パイン2世,ドン・ペパーズ,マーサ・ロジャーズ
第4章 [実践]ワン・トゥ・ワン・マーケティング
ドン・ペパーズ,マーサ・ロジャーズ
第5章 マス・カスタマイゼーションの戦略的導入法
ジェームズ H.ギルモア,B.ジョセフ・パイン2世
第6章 顧客価値をとらえるバージョニング戦略
カール・シャビロ,ハル R.バリアン
第7章 マス・カスタマイゼーションを成功に導く法
B.ジョセフ・パイン2世,バート・ビクター,アンドリュー C.ボイトン
「ITマネジメント」
ハーバードビジネス・レビューブックス、ダイヤモンド社、2200円
経営学の原点を学ぶ「ハーバードビジネスレビューブックス」第一弾。
個人的には第6章「人間中心の情報マネジメント」がお勧め。
第1章 ITを活用する経営
スティーブン H ヘッケル,リチャード L ノラン
第2章 ERPの効果とその限界
トーマス H ダベンポート
第3章 ITの選択的アウトソーシング成功の条件
メアリー C ラシティ,レスリー P ウィルコックス,デイビッド F フィーニー
第4章 競争原理を働かせるITのアウトソーシング戦略
ジョン クロス
第5章 高固定費を付加価値に変えるアウトソーシング戦略
リチャード L ヒュバー
第6章 人間中心の情報マネジメント
トーマス H ダベンポート
第7章 IT投資をいかに成功させるか
ジョン F ロッカートほか
第8章 2000年問題の危機認識とその対応策の総括
リチャード F ノランほか
「相手に「伝わる」話し方」
池上彰著,講談社現代新書,660円
「週刊子どもニュース」のお父さん役でおなじみの池上さんが、自らのNHK報道記者として、またキャスターとして学んだコミュニケーション術を、わかりやすく語ってくれます。
まずは、「やさしく伝えることは難しい」という前提からコミュニケーションをとろうとすることが重要で、聞く人の気持ちを考えた説明がポイントです。
また、「共通体験」があると話しやすく、ケンカすることも一つのチャンスになるのですね。そして自分自身のあたまでしっかり考えること(「ひとりブレーンストーミング」というそうです)。
池上さんの言う、わかりやすく説明するための五箇条は以下の通り。
1.難しい言葉をわかりやすくかみ砕く
2.身近なたとえにおきかえる
3.抽象的な概念を図式化する
4.「分ける」ことは「分かる」こと
5.バラバラの知識をつなぎ合わせる
「アウトソーシングの実践と組織進化」
ダイヤモンドハーバードビジネス編集部、ダイヤモンド社、1600円
アウトソーシングとは、社外の知恵とスキルを社内に注入させる知識創造戦略である。
最良の経営資源を、最短で調達し、最高の価値を創造する。
決して「アウトソーシングをすること」が目的ではない。その先にある戦略のための手段なのである。「よくわからないから丸投げをする」など言語道断。その組織は、はっきり言って先が知れています。
「ビジネス版
悪魔の辞典」山田英夫著、メディアファクトリー、950円
はっきりいって危険な本である。特に少しでもサラリーマンとしての社会人経験があったりすると、おもわず「そうそう」とうなずいてしまいます。
それもそのはずで、パロディではなく、教科書よりも本書の用語説明の方が正しいというのが基本コンセプトで編集されているようです。
したがって、まじめに診断士などの勉強をしようとする人にとっては実に毒な本です。テキストに書いてあることが白々しく感じさせられるのですから。
ちなみに、私はこれを読んで笑えたかというと。。結構引きつった寒い笑いってとこです。
いくつか例を挙げておきます。
【戦略的】自分の考えを重厚に見せるために多用される枕詞。
【納期】仕事に着手する日の翌日のこと。
【円満退社】「解雇ではない」ということだけを示す慣用句。必ずしも円満である必要はない。
【ニッチ戦略】売れそうもない時に、前もってはる予防線。
「アサヒビールの電子メール社内革命」
宮本紘太郎著、中経出版 ¥1,400
割と話題になった本なので、ご存じの方も多いと思いますが、アサヒビールが電子メールを導入したときの色々なエピソードを、社内の責任者であり、エンドユーザ的な立場から導入に当たった筆者がまとめたもので、情報処理の専門書ではないのですが、以下のような点が参考になりました。
1 エンドユーザの立場から
(1) 電子メールを導入するということがどういうことか、具体的にわかる。
(2) 電子メールを導入するときにどのような問題が発生するのか、どのような事項を検討しなければならないのか。
(3) 運用を行う上での具体的なノウハウが盛り込まれている。
2 情報システム部門の立場から
(1) 電子メールのようなシステムを導入する際に、エンドユーザがどのような要望を持つのか。
(2) マン・マシンインターフェースについて、ユーザ側とシステム側でどのような考え方のギャップがあったのか。
(3) このようなシステムの導入を行う場合には、どのような点に配慮する必要があるのか。
専門用語を多用しない、落ち着いた文体で、ふつうの読み物としても面白いと思いますので、ぜひどうぞ。
「新しい会社」
日本経済新聞社編、日本経済新聞社、1500円
1998年に新聞紙上で連載されたコーナーの単行本化。
閉塞した景況感の中、どのようにしたら企業は飛躍できるのかということで、従来なら「異端」とも思われる経営の舵取りを、多くの事例とインタビューを元に展開。
トヨタ、ソニー、京阪バレイほか、今元気な企業及び企業群はどこが違うかということが興味深い。
思うに、やっぱり組織のトップが違うんでしょうね。
「あなたが会社の利益を殺す犯人だ!?」
小笠原昭治著,エクスナレッジ,1500円
これはいい!!
マーケティングや顧客満足(CS)を考えていく上での、基本的な考え方がいっぱい詰まっています。
しかも、昔から受け継いできた普遍的なものと、時代が変わった点と両方を加味し、顧客側での視点でノウハウを述べてくれてます。
キーワードは「付加価値」。その点をしっかりと捉え、お客さんと相対していく。自分自身があまり変わっていなくとも、お客さんが変わっているということです。
当たり前のことをバカにせずにちゃんとやる。その上で何を行うか。そこにかかってくるのですね。
「あなたの子どもの世代は幸せになると思いますか 」、(株)NTTデータシステム科学研究所編著
村上陽一郎監修、TBSブリタニカ、1,800円
現代の生活者としてのアンバランスな4つの顔として、「消費者」「企業人・職業人」「地域人・地域市民」「家庭人」を挙げ、「コンセンサスコミュニティ」をキーワードに、それぞれの視点からどうあるべきかを、実際の統計データを交えて説いている。
この本で非常に興味深いのは主に次の2つ。
まず、「企業人・職業人」として、テレワーク(SOHO)の現実と今後の可能性について述べている。文化としての定着も必要であるため、すぐに普及できるかどうかは分からないが、家族との時間や環境などの面で大きくクローズアップされるだろう。たとえば、女性の福利厚生の一つとして考えるのは本質ではない。
つぎに、「情報化社会」について。
「情報化社会」という言葉は、漠然としているだけでなく、表現としての限界があるという指摘に、目からうろこが落ちる思いであった。
つまり、技術論の観点からも経済の観点からも「これが情報化社会だ!」といえる到達点は永遠にこないのである。であるならば、「社会を情報化」するのではなく「情報を社会化」するという発想は斬新であると思った。
「Apacheサ−バ−体験記 」、ISBN:4274062902、一条 博、オ−ム社、1,800円
Windows上でのApacheに触れていたので、つい買ってしまいました。
(他は本はUNIXしか相手にしていない)
UNIX上とWindows上を併記しているので、少しわかりづらいところもありますが、とりあえず読んでみました。
「
図解暗号と情報セキュリティ」
岡本龍明著、日経BP社、1800円
これはわかりやすい!
1998年の新刊であり、NTT研究所の現役研究員の著書だけに内容が新しく、しかも図解形式で非常に分かりやすい内容です。
まず、セキュリティの基本技術として「暗号」を、秘密鍵暗号方式と公開鍵暗号方式に分けてきちんと説明してくれています。つぎに、この暗号技術を応用した「認証」技術について説明が続きます。
そのあと、「電子決済」「電子マネー」「電子投票」「ネットワークゲーム」など、暗号技術を応用し実社会での利用について技術的な説明が続きます。
ただ、非常にわかりやすい内容とはいえ、それなりにこむづかしい理論など避けて通れない部分もあります。じっくり時間をかけて、ひとつひとつ理解しながら読み進めていく必要があるでしょう。
「暗号」技術とその応用に関して、手っ取り早く知りたい方にはお勧めです。
「
図解ERP入門」ERP研究会著、日本能率マネジメントセンター、2000円
ERPとは?ERPのしくみとその経営面でのメリットを非常に分かりやすく解説してあります。これだけは知ってほしい基礎知識ということで、経営層の方々や利用者の方々にも幅広くお勧めできる一冊です。
「ERPとビジネス改革統合業務パッケージ活用の誤解と指針」
ISBN:4-8171-6064-0、手島歩三・根来龍之・杉野周 編、日科技連出版社、1998/04/11、2400-
数多あるERPの解説書の中で、名指しはしないがR/3に批判的な珍しい本。また、導入のプロセス(業務分析・追加開発など)や技術的問題に相当の頁数を割き、真剣に導入を考えるときには非常に参考になる。
「eビジネス」
アーサーアンダーセン著、日経BP社、1400円
セキュリティポリシー策定の参考書として読んだ本書であるが、内容的にはもうひとつ。類書で散々言い尽くされている「メールの運用」や「著作権」「セクシャルハラスメント」「企業内の社員のプライバシ」などなど、どこかで読んだことのあるものを総花的にまとめたものという感じであった。さらに、それぞれの分析が帯に短したすきに長しという感じです。
まず、インターネットの業務活用におけるセキュリティという概念をざっくりと理解したい方には、取っ掛かりとしては入りやすいかもしれません。
「eポリシー」マイケル・R・オーバリー著,同友館、3200円
中小企業診断士またはITコーディネータを目指す方々にはお勧めの一冊です。経営戦略からはじまって、ITに関する課題をあげ、それぞれ最適な解決法を示してくれています。実例という意味では物足りないかもしれませんが、王道としてのセオリーや考え方というものは、必ず必要だと思いますので、その面で本書は生きてくるはずです。
「怒れ!日本の中流階級」
カレル・ヴァン・ウォルフレン著、鈴木主税訳、毎日新聞社、1800円
日本の最大の不幸はいわゆる中流階級に何の政治力もないこと。
あえてブルジョアとして、中流階級が怒りをあらわにしていかなければ日本は永久に変わることができない。
結局はエリートが保身のために危機感を煽り、また自己愛を刺激し結局中流階級から搾取しつづける形になる・・・・
ベストセラー「人間を幸福にしない日本というシステム」などで日本を客観的に分析する作者が説く、日本が変わるための処方箋。
「意思決定の思考技術」
ハーバードビジネス・レビューブックス、ダイヤモンド社、2200円
仕事の基本である意思決定。その意思決定のための思考技術をさまざまなアプローチで解説してくれています。
第1章 効果的な意思決定
ピーター F.ドラッカー
第2章 イーブン・スワップ法による意思決定の最適化
ジョン S.ハモンド、ラルフ L.キーニー、ハワード・ライファ
第3章 自在流意思決定
アミタイ・エッツィオーニ
第4章 意思決定における対人関係という障害
クリス・アージリス
第5章 意思決定を歪める心理的落とし穴
ジョン S.ハモンド、ラルフ L.キーニー、ハワード・ライファ
第6章 直感の意思決定モデル
オールデン M.ハヤシ
第7章 ケーススタディ:問題の分析方法 問題編
ベリン・ストライカー
第8章 ケーススタディ:問題の分析方法 解決編
ベリン・ストライカー
「イノベーションのジレンマ」
クレイトン・クリステンセン著、伊豆原弓訳、翔泳社、2000円
「業界を支配する巨大企業が、その優れた企業戦略ゆえに滅んでいく構造を様々な事例とその分析により示した、画期的な経営書。」
第一部 優良企業が失敗する理由
第一章 なぜ優良企業が失敗するのか −ハードディスク業界に見るその理由−
第二章 バリュー・ネットワークとイノベーションへの刺激
第三章 掘削機械における破壊的イノベーション
第四章 登れるが、降りられない
第二部 破壊的イノベーションの対応
第五章 破壊的技術はそれを求める顧客を持つ組織に任せる
第六章 組織の規模を市場の規模に合わせる
第七章 新しい成長市場を見いだす
第八章 供給される性能、市場の需要、製品のライフサイクル
第九章 破壊的イノベーションのマネジメント −事例研究−
第十章 イノベーションのジレンマ −まとめ−
イノベーションには、大きく分けて「持続的」なものと「破壊的」なものの2通りに分けることができる。
そして中長期的には、前者は後者に淘汰されていくことは歴史が証明している。
ところが、いわゆる大企業では、わかっていながらもこの「破壊的」イノベーションに対する取り組みが遅れてしまい、後手後手となって結果的に致命的な傷を負ってしまうことが多々ある。
つまり、現時点での地位に対し「守り」に入ってしまい、新たな挑戦の可能性よりもリスクを多く見てしまう。そしてこれはひょっとしたら人間の悲しい本性なのかもしれない。
「インターネット企業戦略」
林志行著、東洋経済新報社、1700円
インターネット(ホームページ)による情報発信を、いかに経営に有効に生かしていくかという点に重きをおいて解説。
高度なテクニックや新技術を使った複雑な動きや大胆な画像といった見た目だけに捕らわれるのではなく、企業が顧客や投資家にいかに効率よく有意義な情報を提供できるようなものであるべき。これを第三世代のホームページと置き、この第三世代のホームページに進化させるための処方箋を詳述。
また、広報、人事、営業などの部門別のケーススタディで、それぞれの立場がどのようなアプローチをしていくべきかについても解説している。
「インターネット時代のWeb営業戦略」
杉山勝行・大野富彦著、明日香出版社、1800円
インタネットを利用したマーケティングについて,たくさんの実際の成功事例を折り込みながら,多面的に説明してくれます。
まあ,「これをやれば必ず成功する!」的な王道なんてないのですが,過去にどういう要因でどういう手段を使って成功したかを知ることは,次なる新たな方法のためのタネになるはずです。
第1章 いよいよ本番!インターネット時代の到来
第2章 ネットビジネス最前線(ワン・トゥ・ワン・マーケティング編)
第3章 ネットビジネス最前線(顧客満足向上編)
第4章 ネットビジネス最前線(新店舗の創造編)
第5章 ネットビジネス最前線(インターネットショップ編)
第6章 ネットビジネス最前線(インターネット・Eメール活用編)
第7 ネットビジネス最前線(デジタル・エコノミー編)
第8章 インターネットビジネスにおける成功法則
「インターネット時代のSE分類学」
加藤忠宏著、技術評論社、1380円
こんなSEが企業をだめにする。身勝手なユーザにも責任がある。
この本では、窮地に立たされているSEをつるし上げることでもなく、批判するものでもない。「他山の石」として、だめなSEの仕事ぶりからSEが陥りやすいウイークポイントを炙り出すことによって、悩めるSEに啓示を与えようというのを目的としている。
「
図解でわかるインターネットマーケティング」
(株)博報堂インタラクティブカンパニー著、日本能率協会マネジメントセンター、1600円
図解見開き2ページで,インターネットマーケティングの勘所を説明してくれます。
システム構築の方法も簡単に紹介してありますが,本当に基本的なさわりだけなので,これを読んだだけでできるとは到底思えません。
そういう意味ではあくまでも入門書です。
第1章 インターネットマーケティングとは
第2章 顧客とのリレーションシップづくり
第3章 インターネット調査の実務と効果測定
第4章 ウェブサイト政策の実務と運営方法
第5章 システム構築の基礎知識
「Webサービス完全構築ガイド」 嶋本正、柿木彰、西本進、野間克司、野上忍、亀倉龍、松本健、福原信貴著、日経BP社、3200円
Webサービスとは何だ?から始まり、Webを使った具体的なビジネスシステムを構築実装していく上での勘所が網羅されていて、現時点では類書のあまりない、すばらしい一冊である。とにかく実地に基づいた丁寧な解説が、読むものにとっては非常に頼もしく思える。
しかし、この著者名はなんとかならんかったのだろうか。共同執筆者を全員列挙するなんて、あまり見たことない。多分全体を取りまとめる編著役の人はいるはずなのだが、ちょっと無責任な気がする。まあ、内容がよければあまり目くじらを立てるところでもないのだろうが。
「Webの達人」加藤忠宏著、同友館、2500円
Webコンピューティングを実際に活用し、ビジネスに役立てた事例とそのノウハウを集めたもの。システム構築というよりもマーケティングや情報化戦略にターゲットを絞ったWebコンピューティングの参考書である。
「ウェルチ」
ロバート・スレーター著、宮本喜一訳、日経BP社、2200円
GEを最強の企業に変えた伝説のCEO。
ウェルチの世間での評価は、両極端に別れるように思う。リストラと首切りという非常に冷徹で労働者にとっては悪魔のような存在。一方で本書のように、経営のカリスマのような存在。実はどちらも当たっているし真実だと思う。両者は表裏一体のものだからである。
ただ、いずれにしても「スピード・単純さ・自信」をキーワードに、ポジティブにアクティブに組織を鼓舞していく姿は非常に素晴らしいと思う。見習うべきところはすくなくない。
「動かないコンピュータ」
日経コンピュータ編,日経BP社,1500円
『日経コンピュータ』誌上に連載されている、同名のコラムの単行本化。
単行本をいつ出すかいつ出すかと思っていたので,やっと出たかという感じである。
「終わりに」にも書いてあるが,失敗事例というものはなかなか表に出せない。さらに単行本化となるといろいろな問題もあったことと思うが,こうして実現できたことは素直によかったと感じている。
やはり,失敗事例にこそ教訓があり,その教訓を活かすことで新たな進化があるわけで、いろいろ姑息な手段で,こそこそ隠して,その結果何の進歩もないというのはあまりにも悲しいのだ。
なお、日経コンピュータ本誌のコラムの方はトラブル関係者を実名で取り上げていたが、本書は匿名になっている。そのせいか、多少緊張感がない感じも否めない。それはさておいても、できれば、いわゆるシステム屋ではない方々に是非読んでもらいたい。少なくともコンピュータを職場に導入すれば、すべての問題が解決するなどという幻想を抱くことが予防できると思うからだ。
「うさぎにもわかる経済学」
長瀬勝彦著,ディスカヴァー21,1166円
タイトルを見てもわかるように、経済学を初心者でもわかるように、優しく解説した本。
ただ、だからといってバカにはできない。素朴な疑問こそ、その急所を突いているということはよくある話。
・コンサートのチケットは安すぎる
・ラーメン屋の行列は旧ソ連の行列と同じ原理
・結婚すれば節税できる
「SEのための提案書ノウハウ101」
金子則彦著、日刊工業新聞社、1500円
コミュニケーション、ドキュメンテーションがあまりうまくないSEが増えているように思う。
提案を効果的にアピールするためには、その提案書の作り方によっても雲泥の差がある。
本書では、細かな留意点を101点挙げ、丁寧に説明をしている。また実際の事例をいくつか挙げ、どこがだめなのかを指摘している。
論文試験の準備論文を書く上で非常に有用であろう。
「SEの持つべき「思想」」
秋月昭彦・瓜生聖著,すばる舎,1500円
企業の情報システム部門にいるSE向けに書かれた本である。
タイトルを見てもわかるように、技術書ではなく、考え方を説いたもので、その内容は非常に示唆に富んだものとなっている。といっても、簡潔でわかりやすい書き方がなされており、忙しい人もささっと読めるというのはすばらしいことである。
特に、管理者層ではなく、実際にバリバリと活躍している層をターゲットとしており、その面でもこれまであまりなかったもので、この面でも評価したい。
第1章 SEを取り巻く現状
第2章 SEが持つべきコスト意識
第3章 SEに求められるコミュニケーション能力
第4章 信頼性の高いシステムをいかにして構築するか
第5章 ユーザサポートとプロジェクト管理のあり方
第6章 自己を高めて本物のSEを目指せ
「SEを極める50の鉄則」
馬場史郎著、日経BP社、1700円
さて、日経コンピュータ誌で連載されていた馬場史郎氏のコラムが、日経BP社より発売されるようです。
これは、SE・SEマネージャ向けの「業務上の心得と活動指針」をまとめたもので、私も、連載記事を読みながらは、うなっていたものです。(現在は、「SE一問一答」が連載中です)
AE・PMを目指す方々にとって、非常に参考になる内容だと思います。
「NTTドコモの挑戦」
湯浅泉著、こう書房社、1400円
NTTというブランド力を持ちながら,i-modeに代表されるように新しいケータイ文化を創造していくパワーも兼ね備え,まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのNTTドコモ。
いまや,NTTグループの枠をも超え,新世代の通信業界のニューリーダーとして,NTTドコモの未来戦略とその死角を丁寧に分析する。
ケータイはもはや若者だけの文化ではなく,世の中を動かす一つの大きなムーブメントになっている。
「NTT&KDDIどうなる通信業界」
津山恵子著、日本実業出版社、1500円
1985年の通信自由化(それ以前の電話の始まりの時代から?)から,2000年KDDI誕生までの,激動の15年間がうまくまとめられており,これまでの経緯から今度の通信事業の抱える問題点課題まで,非常に分かりやすく捉えることができる。
今後,グローバルな競争,インターネットに関する更なる技術革新,次世代携帯電話などなど,目が離せないだけに,ここでこの本でさらりとおさらいしておくのがよいだろう。
「
千本倖生のMBA式会社のつくり方」
千本倖生著、PHP、1200円
小説仕立てで,ベンチャー企業を起こす方法そして成功のためのノウハウをわかりやすく解説。
ビジネスの選定・ビジネスモデルの策定・事業計画書の作成・ファイナンス・オペレーション・管理運営・中長期ビジョン・・・
まあ,小説タッチのストーリは「そうそうそんなにうまくいくかい!」という感は否めませんが,実際に起業する際に注意すべき点や考えるヒントなど,参考になるものは多いと思います。
「MBA的発想人」
斎藤 広達著,アミューズブックス,1,200円
MBAは経営のプロフェッショナルを目指すビジネスマンが、米国や欧州の大学に2年間 留学し取得するものだが、取得者が学んだものと同じ処世術を身につければ留学の必要はない。MBA
取得者のみが知る脳みその使い方を伝授。
割といろいろなところで語られている内容を改めて整理したという感じです。特にこれといって驚くような内容は少ないのですが、感じたのは「自分自身のブランド」に対する意識ですね。しかも、鼻につくような形ではダメ。これは本当に重要です。
「エンドユーザ開発物語」
ジーン・M・フォールマン著、リックテレコム、2400円
システムはズブの素人である、銀行勤務3年目のサラが、パソコンオンラインシステムの開発責任者に任命され、苦労しながらもシステム開発プロジェクトを成功導いていく様をストーリ仕立てで書かれています。
サラと一緒に勉強をしながら、EUCはどうあるべきかを学ぶことができると思います。
「オープン・アーキテクチャ戦略」
国領二郎著、ダイヤモンド社、2200円
ネットワーク型経済ではこれまでの常識は通用しない。
ネットワーク社会の本質を理解し,機会とリスクを見極めよ。
時代の大きな流れを的確に捉えることで,ビジネスの可能性は無限に広がる。
大いに感銘を受けました。
何か,なんとなくぼんやりと感じていたことを,すっきりと整理して説明を受けた感じがします。
「ネットワーク社会型モデル」としていくつかのモデルを具体的に提唱しています。その「ネットワーク社会型モデル」と「従来の日本型モデル」「従来型米国モデル」の比較は非常に興味深いですし,その分析がそのまま将来のあるべき日本型モデルというのも実にうなずけます。
第1章 経営戦略としてのオープン・アーキテクチャ
第2章 情報化時代を動かす三つの要因
第3章 協働組織化メカニズムのイノベーション
第4章 サプライチェーンの再編(水平展開型ビジネスモデル)
第5章 「関係性」のマネジメント(顧客参加型ビジネスモデル)
第6章 結合の場を提供するビジネス(プラットフォームビジネスモデル)
第7章 ネットワーク型経済に挑む日本の進路
「王様のレストランの経営学入門」
川村尚也著、扶桑社、1300円
フジテレビ系人気ドラマを題材にした経営学の教科書。
「伝説のギャルソン」と「お人好しの若きオーナー」を迎えたフレンチレストラン「ベル・エキップ」はどうやって再建されたのか?
> 1章 仲間と一緒に成長するチームーベル・エキップ
10ページ
いわゆる「はじめに」。
「人が成長するチーム」ベルエキップの紹介。
> 2章 ベル・エキップのケーススタディ
90ページ
実際のドラマ(全11話)のシナリオを題材としたケーススタディ。
それぞれの話の最後に「ディスカッションポイント」を5〜6個設け,教材としてすぐに使えるようになっている。
例)「千石はどうして昔ベルエキップを辞めたのだろう。なぜ今回戻る気になったのだろう。」
> 3章 ベル・エキップの3つのビジョン
65ページ
「仕事」「リーダー」「チーム」の3点に焦点をあてて,2章のケーススタディからビジョンをあぶり出していきます。
マズローの要求5段階やシナジー効果,山本五十六の「やってみせ・・・」など,経営学のエッセンスも交えて,2章のベルエキップのケースを横串に刺して分析しています。
> 4章 ベル・エキップのつくりかた
100ページ
3章を受けて,ここでは各登場人物をさらに分析し,「良いチームとは」を掘り下げています。
人間観「人は誰でも成長したい」
行動原則「とにかく,みんなで,やってみよう」
この2本を軸に各キャラクタのケースで,チームの中でどうあるべきかを考察しています。
> 5章 ホンダ太陽−もう1つのベル・エキップ
25ページ
この事例はすごいですね。
「同社は創業以来15年,一度も経常赤字を出さずに順調に売上と収益を伸ばし,雇用を拡大している。創業直後の1982年度は売上高は5300万円,従業員54名でスタートしたが,1995年度の売上高は8億7000万円で,従業員は172名。そのうち健常者が71名,重度障害者が72名,軽度障害者が29名である。」
今の日本の社会に対する一つのアンチテーゼのような事例です。
で,これは小規模のコミュニティだからうまくいっているのだが,大企業だとどうか?という点については,これまでの内容をふまえて読者で考えてみて欲しいという心憎い言い分で締めくくっています。
あと,全体を通じて,用語の説明を囲みで行っています。経営学的な専門用語からいわゆるバラエティネタまで,読む人に非常に親切な構成ですね。
「オトナの会社
コドモの会社」高橋俊介著、ダイヤモンド社、1500円
自己管理に優れ、セルフスターターであり、オリジナリティにこだわる・・・・・といった志向をもつ人材を「オトナの社員」と位置づけ、その対局をなす市場価値を持たない人材を「コドモの社員」と位置づけ、5名の「オトナの人材」のケーススタディを展開。
「オトナの人材」を生かすためには、会社がオトナである必要もあるわけで、一般的にこれまでの日本企業はとうてい「オトナの会社」とはいえない。ルールが多く、横並び指向では「オトナの人材」の方から去っていくからだ。
一つおもしろかったのが、「公私のオーバラップ」の話。妙にプロフェッショナル指向が強い人にありがちな、一歩会社からでると仕事のことは一切考えないで「会社に飲み込まれないことが真のプロフェッショナルだ」と考えてしまうこと。これも実はコドモの発想。オトナならば、リラックスしているけども常にアンテナが働いていて「公」と「私」がオーバラップしていく。同じ一人の人間ならばそれが自然でしょ。
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