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「言いだしっぺが損をするから、たとえ気づいてもあまり意見しない」とか「やってもやっても仕事が減らない上に、その割に会社の経営状態はあまり良くならない」とか思ったことありませんか?
その上「飲み屋で愚痴るだけの評論家」になっていたりして・・・

実はこんな企業風土が社員の中を蔓延している会社がありました。仮にY社としましょう。従業員数1600人の自動車部品会社。

こんな沈滞した状況を打破するかのごとく、一人の社員が社内報で、あまりにも率直な、しかし全うな事を書いたことから事が動きだします。
一時この社員は社内で問題視されるも、社長他一部トップの後押しで改革推進室で活躍の場を与えられました。彼は外部コンサルタントの知恵を借りながら、企業風土改善にプロセスデザインという手法を導入し、同調してくれる仲間を増やしながら風土改革に乗り出します。

風土改革のキーワードは、「牽制しあう人間関係」を「信頼しあい、相談しあえる人間関係」へいかに変えていくか、という事。そのためにコンサルタントは「気楽にまじめな話をする場(オフサイトミーティング)」を作り出す事を主軸に活動してゆきます。このオフサイトミーティングというのは、従来の研修(目標、テーマを決め、それに合わせ討論・発表する)とは違い、ゆるやかなテーマに沿って自由に話をする(引出す)場です。
もう一つのキーワードは「衆知を集めて一人で決める」こと。スピード経営に沿うには責任者を確実に決め、またその責任者はオフサイトミーティングで交流しあった関連部署員と連携し、すばやく対応してゆくことで乗り切ってゆきます。

・・・・というお話が小説仕立てで展開されます。

『なぜ会社は変われないのか危機突破の企業風土改革』
柴田昌治 日本経済新聞社 ,1600円


要するに、他人事でなく自分自身のこととして考え、意見をもち、判断するような意識を持つこと。そして組織として、そういった芽をつぶさないことかなあと思いました。昔からよく言われる「会社人間」に近いけどちょっと違う、そんな感じです。うまく表現できませんが。
別に特別な技能ではありません。これは人間の本質のような気がします(だって、人はみんな自分の意思でいろいろ判断し生活していますものね)。
その意味で、小手先のテクニックでは到底歯がたたないと思います。

「なぜ新規事業は成功しないのか(仮説マネジメントの理論と実践)」、ISBN:4-532-14659-3、大江建、日本経済新聞社、1998/8、2,000-(税抜)

新規事業の進め方について良くまとめられた本だと思います。それも机上の理屈だけではなく実践に裏打ちされた内容ですので参考になります。
著者がこの本の中でその必要性を訴えられている「社内インキュベーションセンター」という機能(特に支援、仮説ノウハウの蓄積機能等)はもっと重視されるべきことであると思います。
なおインキュベーションセンターとは「(卵の)孵化器」のようにベンチャー企業の支援育成を手がける機関の総称です。

「なぜ日本企業の情報システムは遅れているのか」玉生弘昌著、日本能率協会マネジメントセンター、1,600円

「レガシーマイグレーション」これが本書のキーワードです。噛み砕いて言うならば、レガシーシステムを放棄して新たにオープン化を図ること。
言い古された「バズワード」のひとつと思う方も多いかも知れませんが、とかく保守的でなかなかIT化が進まないという日本(日本以外でも同様か?)において、いまだに重要な提言です。

ごく当たり前だけどなかなか実行できない。これをどう打ち破るか。なぜ打ち破れないか。これらを常に追求していきたいものです。
著者の玉生さんは、まさにそれを流通業界という現場で実行してきたわけで、本書の中にその様子を垣間見ることができます。

「なぜマネジメントが壁に突き当たるのか」 田坂広志著、東洋経済新報社、1600円

マネージャのための「暗黙地の経営」の田坂さんの講義集。
【開 講】なぜマネジメントには「沈黙は金」の瞬間があるのか?
【第1講】なぜ「論理的」な人間が社内を説得できないのか?
【第2講】なぜマネジメントにおける「直観力」が身につかないのか?
【第3講】なぜ「原因究明」によって問題を解決できないのか?
【第4講】なぜ「矛盾」を安易に解決してはならないのか?
【第5講】なぜ「多数」が賛成する案が成功を保証しないのか?
【第6講】なぜ成功するマネジメントは「完璧主義」に見えるのか?
【第7講】なぜ「成功者」を模倣することができないのか?
【第8講】なぜ「経験」だけでは仕事に熟達できないのか?
【第9講】なぜ「ベスト・チーム」が必ずしも成功しないのか?
【第10講】なぜ「動かそう」とすると部下は動かないのか?
【第11講】なぜ「教育」しても部下が成長しないのか?
【第12講】なぜ「優秀な上司」の下で部下が育たないのか?
【閉 講】なぜマネジメントは「アート」になっていくのか?
「7つの習慣」 スティーブン・R・コヴィー著、キングベアー出版、1942円

この本の読了により期待されること。
・真のリーダになり、マネジメントの本質を知る
・人生における明確な目的と方向性を持つようになる
・忘れていた人間本来の暖かさを取り戻し、本当の喜びを生活の中で味わえるようになる
・他人との協力を通じて、無限の資源を活用する方法を知る
・深いコミュニケーションを取る方法を知ることで、周りの人たちとの充実した人間関係をつくる

「ナレッジ・マネジメント」 ハーバードビジネス・レビューブックス、ダイヤモンド社、2200円

お勧めは第4章。確かにプロフェッショナルは新たな学習をしようとするとき,防衛的な思考によりその学習を図らずも妨げていることが多いのかもしれない。これは,ある特定の分野でいったん成功すると,それが既得権益となり,自ずと守りに回ってしまうという人間の本性のようなのかもしれない。
そのような「妨げ」に対する処方箋が第8章ということにもなる。

なお,第1章はマネジメントの大家,ドラッカーの論文。
第2章は東洋経済新報社から刊行された「知識創造企業」のもととなった論文である。当時その本自体は読んだのだが,私はよくわからなかった。今回の論文はコンパクトであるというのもあり,非常にわかりやすく自然と消化できたような気がする。


第1章 情報が組織を変える
  ピーター F ドラッカー
第2章 知識創造企業
  野中郁次郎
第3章 「学習する組織」の構築
  デイビッド A ガービン
第4章 優秀なプロフェッショナルの学習を妨げる「防衛的思考」
  クリス アージリス
第5章 創造的摩擦を活用するマネジメント
  ドロシー レオナルド,スーザン ストラウス
第6章 ラーニン・ヒストリー:経験を企業に活かす法
  アート クレイナー,ジョージ ロース
第7章 企業を「創造」するための企業内研究
  ジョン シーリー ブラウン
第8章 プロフェッショナルの知的能力マネジメント
  ジェームズ ブライアン クイン,フィリップ アンダーソン,シドニー フィンケルスタイン

「なんとか会社を変えてやろう」 柴田昌治著、日本経済新聞社、1200円

大ベストセラー「なぜ会社は変われないのか」の第2弾。
前著はストーリー仕立てであったが、今回は実践ガイドということで企業風土改革の進め方を解説してあります。
・問題を顕在化させる仕組みを築く
・情報の流れ方と質を変える
・トップの求心力が鍵
・キーマンに求められる課題発見能力
・気楽にまじめな話をする場つくり
といった点を中心に展開。
前著を読まなくても、十分理解できる内容で、単独で企業内研修のテキストとしても利用できると思います。
企業風土を変えることなど簡単にできるわけはない。王道と呼べる方法があるわけでもない。その組織ごとにやり方は変わってくるでしょう。
そういう点を前提に考えながらよんでいくと非常に示唆の富んだ内容で、実に啓発させられます。

「2015年の情報通信技術 次世代ITの未来ビジョン」 立川 敬二監修、NTT技術予測研究会編、NTT出版、1,800円

2015年ごろの情報技術および情報通信サービスの将来像を明確にするにあたり、NTT技術予測研究会が2010〜15年に至る情報通信関連技術の発展動向を分析したものを取りまとめる。
日本のITはどこへ向かうのか?

「日本の技術が危ない」 ウィリアム・ファイナン、ジェフリー・フライ著、日本経済新聞社、1800円

「直線思考」が電子立国を崩壊させる。
エレクトロニクス産業に不可欠の創造性。その育成をはばむ企業文化と大学教育の問題点を大胆に指摘。半導体、コンピュータ、ソフトウェアと、敗退を続ける日本企業の復活の糸口をさぐる。

「ニューエコノミー勝者の条件」 ケビン・ケリー著、酒井泰介訳、ダイヤモンド社、1600円
ウイナーテイクオール時代のマーケティング10則
1.スウォーム・パワーをつかめ −多数を結べば知性が生まれる
2.成功を呼ぶ成功 −勝敗を分ける実力以外の要素
3.潤沢さが価値を生む −希少性に逃げ込んではならない
4.無料で売れ! −気前のいい者が報われる
5.ネットを肥やせ −ルールではなくツールによる支配
6.自分の強みを捨てよ −イノベーションは破壊から生まれる
7.プレースからスペースへ −「中間」という広大な可能性
8.フラックスこそ常態 −不連続と不安定がビジネスを生む
9.関係性のテクノロジー −一生の顧客をつかむ仕組み
10.効率と生産性を捨てよ −無駄と非効率が機会を生む

最近特に、「e-なんとか」とか「ネットなんとか」とか騒々しいが、表面的なところだけ見て躍らされていると、大きく見誤る危険性がある。
つまり、そもそもの経済構造自体が変わろうとしているのである。その表出が先にあげた「e-なんとか」とか「ネットなんとか」と呼ばれているものたちなのだ。
「なんだかんだ言っても本質は変わらない。所詮人間の行う経済活動だ!」と言いきる向きもある。ある意味正しいと思うが、しかし仮に現実を直視しないでのコメントであれば、やはりかなり危険な見方とも思える。
ここで「危険」というのは、決して大袈裟でも誇張でもない。ニューエコノミーでは、勝者は根こそぎ持っていってしまう(ウイナーテイクオール)こともありうるのだ。
ただ、「ニューエコノミー」というものの定義はまだ確定はできていないと思う。
その意味で、「ニューエコノミー」とはどういうものなのか、自分自身考えてみて模索してみる必要がある。

「人月の神話」 フレデリック・P・ブルックス・Jr著、アジソンウェスレイ、2900円
「狼人間を撃つ銀の弾はない」で有名な、もはや古典的とも言える名著です。原著発刊後20年以上たつ今でも、その内容は色褪せていない。
ワインバーグやデマルコ、ヨードンが述べているいろいろなお話も、実はこの本が原点になっているのではないかと思ってしまいます。

「ネオIT革命」 米倉誠一郎著、講談社、1600円

プロローグ 日本に与えられた使命-
第一章 IT革命--産業革命をしのぐイノベーション--
第二章 アメリカに何を学ぶべきか
第三章 「数を多く打つシステム」と精神の自由
第四章 日本ではいま何が起きているのか
第五章 IT革命下の経営マインド
第六章 進化するIT革命の旗手
第七章 大企業とベンチャーの分業関係
第八章 日本の主戦場はどこか
第九章 七つのパラダイムチェンジ
第十章 想定された未来を超えて

歴史をひも解いてみると、「日本人こそベンチャーに向いている」ということで、IT革命において米国の後塵を拝する形になった状況からのシフトを提案する。
そのひとつの考え方が「数多く打つシステム」。一度失敗してもすぐに立ち直れるような雰囲気を醸成していくことでベンチャースピリットの発揮の場は一気に広がる。
さらに「日本の未来を世界がうらやむ」ような視点転換、すなわちパラダイムチェンジとして以下の7点を挙げている。
・インターネットリテラシーの高い日本
・コンセプトメーキング後の日本は強い
・世界一優秀なミドルマネジメント
・弱いところを嘆かず
・上がったものは必ず下がる
・資源小国は世界のモデル
・日本株式会社をもう一度

「ネクスト・ソサイエティ」 ピーター・F・ドラッカー著、上田惇生訳、ダイヤモンド社、2200円

この急激な変化の先にどんな時代が待っているのか、多くの人がその答えを求めています。
本書を読めば、その変化の大きな流れ、大局をつかむことができます。明日に備え、いますぐ行動を起こすためのヒントが得られます。愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶといいますが、歴史上の事例を引きながら変化の本質をズバリ簡潔に描き出すドラッカー教授の洞察力と表現力は驚くべきものです。本書を読めば、明日を見る眼が変わります。

と、編集者の方はおっしゃっていますが、私には今ひとつピンときませんでした。
なんかぶつ切りの感じが否めないんですよね。

「ネットコミュニティビジネス入門」松岡裕典・市川昌浩・竹田茂編著、日経BP、2,800円

ネットコミュニティを活用した新しいマーケティング手段を探ることを目的とした、非常にユニークな一冊です。
特に、2ちゃんねる管理人である西村博之氏のインタビューやコメントを差し挟みながらの説明はなかなか興味深い。
また、「ネットコミュニティビジネスを解剖する」では、具体的にネットコミュニティビジネスの事例を挙げ、それぞれ成功のための対処法やヒントを解説している。
この本で取り上げられたようなテーマはすぐに陳腐化してしまいそうではあるが、少なくともここ1,2年ではまだまだ有効だと感じる。

「ネット資本主義の企業戦略」 フィリップ・エバンス/トーマス・S・ウスター著、ボストン・コンサルティング・グループ訳、ダイヤモンド社、2400円

本書のテーマは「デコンストラクション」。「デコンストラクション」とは、従来の事業構造を壊し再構築すること。
既得権を持つ組織は本来この「デコンストラクション」を嫌うはずだが、その兆しすら感じない大企業もあったりする。
もうひとつの大きなテーマとしては「リーチ」と「リッチネス」のバランス。
「リーチ」とはカバーエリアの広さ。「リッチネス」とは深さのことを言う。これまでは「広く浅く」か「狭く深く」かのどちらかしかなかったわけだが、ITの発達のおかげで「リーチ」と「リッチネス」を同時に追うことも可能になった。ただ、この展開の仕方もいろいろ工夫が必要なのである。

この「リーチ」と「リッチネス」のバランスを考えながらの「デコンストラクション」。ここにネット資本主義の企業戦略のヒントがある。

第一章 不吉な前例
第二章 「情報」と「モノ」の流れが分離されると・・・
第三章 情報の「リッチネス」と「リーチ」は二社択一か
第四章 デコンストラクションとは何か
第五章 ディスインターミディエーション(中間業者の排除)
第六章 リーチをめぐる競争
第七章 アフィリエーションをめぐる競争
第八章 リッチネスをめぐる競争
第九章 サプライチェーンのデコンストラクション
第十章 組織のデコンストラクション
第十一章 今、何をやるべきか

実践ネットワークシステム危機管理マニュアル」福岡浩平著、かんき出版、1600円
情報通信時代の安全対策の立て方ということで、
・災害に関する対策
・障害、エラーに関する対策
・犯罪、不正行為を未然に防ぐ対策
・破壊、プライバシー侵害に関する対策
・コンピュータウィルスに関する対策
・情報保護に関する対策
・電子取引に関する対策
などについて、具体的な事例を挙げ、実践的に解説。

「ネットワーク戦略論」 ハーバードビジネス・レビューブックス、ダイヤモンド社、2200円

このシリーズとしては,少し焦点がボケてしまっているかなと思った一冊。
まあ,「ビジネスモデル」はネットワーク上では,通常よりも一層戦略的に活用した方がよいよということか。

序章 デジタル・エコノミーの価値創造
  ドン・タプスコット
第1章 知識の時代の企業戦略
  スタン・デイビス,ジム・ボトキン
第2章 バーチャル・ファクトリーを機能させる条件
  デイビット M.アップトン,アンドリュー・マカフィー
第3章 インターネット時代の製品開発
  マルコ・イアンシティ,アラン・マーコック
第4章 バーチャル組織のマネジメント
  チェールズ・ハンディ
第5章 企業「生態系」四つの発展段階
  ジェームズF.ムーア
第6章 リアルタイム・マーケティング
  レジス・マッケンナ
第7章 資源として顧客情報
  ジョン・ヘーゲル3世,ジェフリーF.レイポート
第8章 サイバー空間を制する四つのビジネスモデル
  アーサー・アームストロング,ジョン・ヘーゲル3世
第9章 インターネット・ビジネスの可能性
  シカール・ゴーシュ

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