別館:あ行
「アー・ユー・ハッピー?」
矢沢永吉著、日経BP社、1300円
ヤザワのヤザワによるヤザワ的自伝。
これを読むに,ヤザワはただのロックンローラーではなく,偉大な経営者だと思う。
しかも素直に読者に元気をつけてくれるところは,アーティスト+経営者の真骨頂かもしれない。
とにかく,自分の意志をもて,当事者意識をもて,楽しみをもて,とストレートに訴えてくるところが最高に気持ちよい。
「iモード事件」
松永真理著、角川書店、1300円
読み物としても非常におもしろく読めますが,新規事業立ち上げにおけるプロジェクトマネジメントの教科書としても通用します。生きたお手本になると思います。
「iモード」の成功と一言でいっても,多くの要因がありこれ特定できるようなものではないでしょう。ただ,おそらく松永さんがいなかったらまったく別モノになっていた可能性が大きいでしょう。ただ,それが成功か失敗かは一概には言えませんが。
あえて端的に言うとすれば,松永さんは,派手さはないものの実直さと粘り強さが人一倍であり,その点が大きな成功要因でしょう。
また,彼女が女性であったという点も見逃せません。仮に男性であったなら,同じことをやって通用したかどうか。そういう意味で,女性であることをヘンな意味でなく,うまく最大限に利用していたとも言えると思います(本人が意識するかしないかは別にして)。
「OUT」
桐野夏生著、講談社、2000円
「98年版このミステリーがすごい!」第1位。1998年週刊文春「ミステリーベスト10」第2位。
パート仲間の夫殺しをかばうために、あれよあれよという間に殺人事件はとんでもない方向に転がっていく。
4人の主婦の描写と、犯罪に関わっていく心理や過程が実にリアリティを感じさせ、抜群の説得力がある。
彼女たち4名を通して感じることは、「孤独」。しかも「都会の中の孤独」である。
これは、現代の都会に住む人が大なり小なり持っている病巣かもしれない。
最近の凶悪で不可解な事件と併せて考えるに、そう考えさせられました。
「青の炎」
貴志祐介著、角川書店、1400円
こんなにもせつない殺人者がかつていただろうか
光と風を浴びて,17歳の少年は,海沿いの道を駆け抜ける。愛する妹と母のために・・・。氷のように冷たい殺意を抱いて。
「17歳の殺人」という,今まさに世の中を騒がせているような事件とシンクロニティを感じさせます。特に,少年法に守られた17歳のうちに殺しておきたい・・・といったニュアンスもこのお話の中で確かにありました。
ただこのお話では,いわゆる狂気の沙汰とか衝動的とかではない何か強い意思を感じさせるものがあります。
殺人のための計画を精緻なまでに練り上げ,準備をし,何重にもバックアップを考えた実行。しかも,人間の尊厳と家族の絆について思い悩みながら実行を決意し,また実行後にやはり良心にさいなまれていくさまは少し胸が痛みます。
ただ,やはり浅はかだった。一つの綻びからどんどんぼろが出て,それをかくすための罪の上塗りをし,さらに深みに入ってしまう。
前半の展開はテンポがよく話のなかにのめり込んでいきます。反面後半は罪を隠すための罪を重ねるところなど,少しきつかったです。
「アクアリウム」
篠田節子著、新潮文庫、476円
主人公は遭難したダイバー仲間を探すため、奥多摩の地底湖に潜った。そこは水没した鍾乳洞で、中は迷路のようだった。自分の位置を見失った主人公は死を覚悟するが、なにものかに導かれ奇跡的に生還する。
自然破壊に対する警鐘というものが底辺に流れている、サスペンスファンタジー。
「悪女と紳士の経済学」
森永卓郎著,日経ビジネス人文庫,648円
企業戦士とその「銃後」を守る妻−−高度成長を支えた戦後日本の家族からは「男」と「女」が消えていた。この国が元気を取り戻すために,男と女が性的魅力を取り戻し,結婚しても複数の恋人を持てる生涯恋愛社会に!物議をかもした名(迷)著,堂々復活!
「悪の対話術」
福田和也著,講談社現代新書,660円
第一印象を制する礼儀正しい生意気のすすめ,悪口,お世辞による観察眼の鍛え方,敬語の意外な役割など,舌鋒鋭く世を生き抜くための刺激的「話し方」講座。
福田さんの毒舌炸裂!という感じですが,しかしその理屈は実にうなずかされるものがあります。まあ,これだけに感化されてしまうのもどうかと思いますが,頭の片隅にいつもおいておいて機転を効かすというのは実にスマートだと思います。
「悪の恋愛術」
福田和也著,講談社現代新書,660円
「悪の対話術」に続く,福田さんによる福田流人類学指南書。
自分がエゴイストであることを認め「いい人」であることを捨てなければ真実の恋愛は生まれない。プレゼント術から嫉妬の有効活用まで,芳醇な果実を得るための方法論が満載。
・・・・なんてことが書いてありますが,私にはどうもこのテクニックを使いこなすのは無理みたいです。たぶん技巧に走ると技におぼれるタイプでしょうから。しかし,「戦略的にもてる」なんて夢のようですね。
「アダルト・チルドレンと家族」
斎藤学著、学陽書房、1600円
アダルトチルドレンの特徴。
・周囲が期待しているように振る舞おうとする
・NOが言えない
・しがみつきと愛情を混同する
・楽しめない、遊べない
・フリをする
・自己処罰に嗜癖している
・他人に自分の真価を知られることを怖れ、恥じる
・他人に承認されることを渇望し、さびしがる
・何もしない完璧主義者である
・変化を嫌う
・被害妄想に陥りやすい
・表情に乏しい・・・
こんな症状、だれでも多かれ少なかれ持っているのではないだろうか。
アダルトチルドレンは、家族関係が生み出すケースが多いという。
親から受けた傷を癒し、本当の自分を取り戻すために。そして、子供たちを傷つけないために。本書で、その問題を解説してくれています。
「あなたのプライバシーが国家管理される!個人情報保護法をぶっ潰せ」
個人情報保護法拒否!共同アピールの会著,現代人文社ブックレット,800円
個人情報保護法案に反対する人々がグループを組んで寄稿した意見をとりまとめて掲載したもの。ライター,フリージャーナリスト,学者,代議士,弁護士などなど,広範囲の論客がそろっています。
しかし私はあまりお勧めしない。読後感はあまりいいものではない。
なぜか?あまりにも極論に振って,バランスを欠いたトーンが強すぎるからだ。読む方もそのつもりで読まないと,鵜呑みにして感化されるか,逆に反発を覚えてアンチテーゼに振られてしまいそう。
さらに,特にフリーのジャーナリストの方が自分の保身のために主張しているのが見え隠れし,しかもそれを自らそうではないとかならずはんで押したように言い訳しているところが嫌だ。
ただ,そんななかにも,最相葉月と二宮清純の論は,実に地に足のついたものでよかった。しかし,このお二人,こんなコラムの中に混ぜられて本当によいと思っていらっしゃっているのだろうか?
「甘ったれるな」
ニュービジネス協議会・ニュービジネス研究所編、日経BP社、1500円
ベンチャースピリットあふれる成功企業のトップが若い起業家に送るメッセージ。
CSKの大川さん、トステムの潮田さん、ユニ・チャームの高原さん、マクドナルドの藤田さんというそうそうたる方々が、昔の苦労話から成功までのプロセス、自分はどのように工夫してきたか等示唆に富んだ内容である。
ただ、見方を変えればただの自慢話に聞こえてしまいそうだなとも感じました。
「アメリカ50州を読む地図」
浅井信雄著,新潮文庫,476円
アメリカ50州を一つ一つ取り上げ,アメリカにおける今の位置付けから歴史,風土,文化などを解説。
大都市の名前は聞いたことがあっても,それが何州にあるかわからないことが多く,位置関係も全然わからないというあまりにも情けない状況であったのが,本書でかなり理解できたと思う。
余談だが,メジャーリーグの球団と選手を思い浮かべながら読むとさらに格別である。
「アルケミスト」
パウロ・コエーリョ著、地湧社、1500円
原書は1988年に出版。日本語訳は1994年に刊行されました。
訳者は「聖なる予言」と同じ人。
いわゆるスピリチュアルストーリですが、素直に元気が出る本です。
童話といってもよさそうですが、大人が読むと内容が深すぎる、そんな気がしました。
アルケミストとは錬金術師のこと。
南スペインおよび北アフリカのサハラ砂漠を舞台に、羊飼いが自分の夢をかなえていく物語です。
しかし、ここでいう錬金術とは、単に鉄や鉛を金に変える技術ではなく人生の中での金に匹敵するものは何かを理解している人のことを指しているようです。
今、自分の夢って何だ?と聞かれてすぐに答えられない人は読んでみる価値があるかもしれません。
ちなみにこの本、ブラジルの大ベストセラーとのことです。
「あるべき明日」
堺屋太一著、PHP、1500円
現職の経済企画庁長官が著した、「日本がまずおこなっていくべきこと」。これは読まずにはおれんでしょう。
現在の官僚主導体制を「東京時代」とし、明治維新や第二次大戦の終戦と重ねて、日本が今後生き残るための大きな岐路に立っていることを指摘。
また、土地神話からの解放と知価主義への昇華が必要であるとの持論を展開。
具体的には、
・あらゆる面での信頼回復のために現状を総点検
・百兆円の緊急復興債発行
・教育、医療、土地利用の自由化
・少子化に対して移民も検討に入れる
・首都機能の移転
により、「官主文化」から「民選文化」への変換を図るというもの。
「eメールの達人になる」村上龍著、集英社新書0119B、660円
作家村上龍さんが、実際の経験に基づいたeメールの指南書。いわゆるネチケット論。
さすがにメールを使い込んでいるらしく、そのコメントは説得力がありまた実用的である。ただ、多少実務的に寄っている感もあり、必ずしも村上さんの言っているのが正しいとは言い切れない。そこは、最終的にはやはりケースバイケースで、うまく活用しなければならないというのは間違いないわけで、そのまま真似をすればよいというものでもない。とはいえ、非常に参考になると思います。
「神鳥−イビス−」
篠田節子著、集英社文庫、560円
夭折した明治の日本画家・河野珠枝の「朱鷺飛来図」。死の直前に描かれたこの幻想画の、妖しい魅力に魅せられた女性イラストレータとバイオレンス作家のコンビ。
時空を超えた異形の恐怖世界を描く、異色ホラー。
「今の仕事に満足していない人のための本」 野村 正樹著、日本経済新聞社、1,400円
28年間の会社員生活を送り、作家業に転身した著者が示す、心を軽くする人生 のヒント。
本当のやりがいとは何だろう? これでいいのかという不安。しかし、不満とどう戦うかで、「人生の果実」が決まる。
仕事の本当の満足とは何か? どうすれば不満を脱出できる のか? の提言を、私小説スタイルのドラマ風につづられたのが本書です。
登場する男女10数人の物語と 証言を自分や同僚に置き換えながら、気軽に、楽しく読めます。
きっと元気と、勇気と、明日へ の希望が湧いてくると思います。
「「売れる人材」「売れない人材」の見分け方 外資系ヘッドハンターが明かす」
小松 俊明著、PHP研究所、1,200円
「あいつが欲しい!」と会社に言わせる人の仕事術、自己アピール術 とは?
現役トップ・ヘッドハンターが、選ばれる人材の条件を公開。ヘッドハ ンティングの現場、面接官の本音等、転職のウラ事情が見えてくる!
どちらかというと、ヘッドハンターの視点でのコメントが多いです。ただその中でも学ぶべきものは多いですね。
ところで、この本の各単元ごとにはまとめコメントがついていますが、これはあまり的を射たものにはなっていないように感じました。
「永遠の仔」
天童荒太著、幻冬社、上巻1800円・下巻1900円
なんか,評するのがおこがましいような,そんな感じを抱かせます。すごいものを読んでしまいました・・・
人が生きることとは?子どもにとって親とは?ドメスチックバイオレンスとは?家族とは?アダルトチルドレンとは?トラウマとは?人が老いるということは?・・・・・・・
全てが今の世の中に投げかけられている課題であり,しかも明確な回答が得られていないものでもあります。
理屈じゃない,ヒトとしての尊厳みたいなものを本能的に感じてみたいようなそんな気がしました。いずれにしてもいろいろと考えさせられます。
このミステリーがすごい!2000年版第一位など,各誌紙で最大級の評価。
「エシュロンと情報戦争」(文春新書 227)
鍛冶 俊樹著、文芸春秋、690円
自衛隊の情報通信関係の元将校という経歴を持つ軍事ジャーナリストが、米英カナダなどが運営する国際通信傍受システム「エシュロン」の実態を紹介している。
かつて旧ソ連の軍事的脅威に対抗するために使われた諜報(ちょうほう)システムが、冷戦後は米国が経済分野での競争に利用しているのではないか。著者はこの疑問に答えるべく、アジア通貨危機などにエシュロンの影がちらつくことを示す。
米国の陰謀説にはやや強引な部分もあるが、知られざる諜報活動の一端を知ることはできる。
「男というもの」
渡辺淳一著、中央公論社、1400円
エッセイ集。
男という性を徹底的に分析し赤裸々に表現されています。私自身、読んで非常に面映ゆい気になりました。
・メンタルな性
・絶対愛とは
・処女願望 ・・・・など
非常に興味深い切り口で、作者ならではの論理が展開されます。
「エンジェル 僕の歌は君の歌」 長谷川康夫著、角川書店、1300円
1992年織田裕二・和久井映見主演の映画のノベライズ。
この映画、なぜか結構好きで、ビデオで何度も見ました。
この映画を見て以来、エルトンジョンの「Your Song」が大好きになりました。
「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」 橘怜著、幻冬社、1600円
これを読んですぐにお金持ちになれるかというと、そういうわけでもないでしょう。
むしろ、無駄なお金を出さないようにするための智恵と工夫とノウハウが詰まっているといっていいかと思います。
出を最小にし、残ったお金をどう運用するかということが、お金持ちにつながっていくということになるのですね。
で、出を最小にするというのは、まず税金。そして、保険、年金。
これらをいかに最小にするか?ここがミソなんですね。
違法行為スレスレというものも紹介してあります。でも、逆に今のルール上で、うまく立ち回っている人もいるわけで、そこが大きな差なのかもしれない。
結論として、サラリーマンはもっとも割りに合わないというのが実際なんでしょうね。でも、サラリーマンでもやりようはありそうです。
そんなヒントもこの本にはちりばめられてます。
「追われ者」松島 庸著、東洋経済新報社、1,500円
史上最年少で初の日米同時株式公開を果たしたが、200億円強の調達資金ごと光通信に会社 を乗っ取られた。クレイフィッシュ創業社長が自らの未熟さを反省しつつ、その間の経緯を生々しく
描いた自伝的著。
松原さんの苦悩と葛藤が多少の後悔と教訓を含んだまま、素直に表されています。
ただ、この本から学べるものはあまり多くはないようにも感じます。むしろ、世間への説明 あるいは言い訳(というときつすぎるか?)のようなメッセージを含んだものとして
読んだ方がよいでしょう。
ぜひ 「ヘソマガリ」
と合わせて読んでみてほしい本です。
「女たちの静かな革命」
日本経済新聞社編、1600円
いまだに残る不条理な男女差別。そんな中女性が元気である。少子化、高齢化といった問題を抱える今後の日本の浮沈を握るのは女性かもしれない。これからあらゆる分野において、女性のパワーがかぎとなる・・・
しかし、そのための環境はまだ十分ではない。
根強い習慣。周りを取り巻く人々。それよりも何よりも女性自身の考え方自体に問題があるのではないか?
単なる女性擁護に偏らず、クールな目で切り取る視点が秀逸である。
女性をひとくくりに捉えている間は女性に対する差別は払拭されない。なぜなら女性のなかでも実力のある人とそうでない人がいるからだ。
女性だからではなく、その人個人として勝負できるようなそんな世の中になったとき、今の女性はどう思うだろう。そして我々男性はどうなのだろう。
日経新聞連載にて大反響の単行本化である。
「女たちのジハード」
篠田節子著、2200円
直木賞受賞作。
5人の女性がまき起こす、現実的にありそうなこと。女としてのさまざまな困難に立ち向かうひたむきさを描く。それぞれのエピソードが痛快であり、優しくそして哀しくもある。
連続モノのドラマ化なんていいかもしれない。素直に読み進めることができます。
と同時に、男として、「女性って強いな」と改めて思わされます。
「女は男のどこを見ているか」 岩月謙司著、ちくま新書、720円
タイトルを見て、「どきっ」としてつい買って読んでしまいました。
この年になるまで、ある程度わかったつもりでいたことですが、改めて整理した形で示され「なるほどなあ」と感心した次第です。
1.なぜ女は男に智恵と勇気を求めるのか
2.女は男のどこを見ているか
3.「いい女」は英雄体験をした男を好む
4.「いい女」に惚れられる男になる方法
5.「いい女」にも「いい男」にも受難の時代
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あ
か
さ
た
な
は
ま
や
ら
わ
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