別館:ま行
「マドンナ」
奥田英朗著,講談社,1,400円
部下に恋をする「課長さん」。息子がダンサーになりたいと言い出す「課長さん」。同い年の女性が上司になった「課長さん」・・・・
実は今、日本の組織の中で一番悩んでいるのは「課長さん」なのかもしれない。上からは叩かれ、部下からは突き上げられ、家に帰れば肩身の狭い思いをし・・・
奥田英朗が、そんな多くの「課長さん」とその取り巻く人々をやさしく描く表題作「マドンナ」ほか、トラジコメディ短編集。
「まれに見るバカ」勢古浩爾著、洋泉社新書、720円
要するに、この世の中、実はバカがいっぱいなのである。特に最近の日本では、やたらに大バカが目立つのは気のせいだろうか。
勘違いしているバカ、自己陶酔するバカ、無責任なバカ、当事者意識のないバカ、謙遜するバカ、、、、
こんなバカたちを、気持ちのいいくらいばっさりと斬ってくれます。
その上で、「ああ自分もバカだなあ」とおもっていしまうのはやっぱりバカだなあ。
「3日でわかる幕末維新」
(知性のBasicシリーズ)武光 誠監修、ダイヤモンド社編、ダイヤモンド社、1,400円
幕末から維新への歴史の流れ、日本的革命の予兆、時代の流れが生み出した数々の制度と思想など、幕藩体制の終末に一体何が起こったのか、そのポイントが図でわかる。今さら人に聞けない日本の革命の基本と常識を解説。
とにかくポイントが要領よくまとめられておりわかりやすいので、まず他の本よりも先にこの本はお勧めです。ただ、意外なこぼれ話もちりばめられているので、それなりに幕末に造詣の深い方でも結構読むに耐える内容ではないかと思います。
「三つの未来」
中前忠編著、日本経済新聞社、1600円
衰退か?再生か?何が日本の運命を決するのか?という視点から、「シナリオプランニング」という手法を用い、2020年ころを見据えて未来を予測した三つのシナリオである。
読み物としては非常に面白いが、ちょっと極論過ぎるような気がして今一つリアリティが感じられない。でも、何が起こってもおかしくないのが世の中であるわけで、このシナリオのうち望ましいと思われる形を理想形とおいて、それに向かうべく努力をするのがわれわれの役割でもある。
ただ、本書、シナリオ本文は最初の60ページ程度で、その後はシナリオプランニングの手法と今回のシナリオ作成のプロセスの説明。後半半分以上は、インタビューノートということで、取材で得たコメントを分類して掲載してある。このインタビューノートははっきりいって辟易ものである。当然別々の人間のコメントが並んでいるわけだから前後の脈絡はない。しかもコメントが否定的であったり「べき論」に終始していたりでうんざりであった。資料集としてみるならよいが、読み物としては実に苦痛である。
「ミレニアム」永井するみ著、双葉社、1800円
西暦2000年問題を背景にしたミステリー。
舞台は大手SIベンダーであるエターナルソフト社。
2000年問題対策も大詰めにきた1998年10月。インドで開発された、画期的なプログラム変換ツール「インドラツール」。
このインドラツールの導入検討を行っていた矢先、2000年問題対策プロジェクトのリーダが何者かに会社内で殺される。
リーダをシステムアナリストとしてまた人間として尊敬していた部下の馨が、この事件解明のための立ち上がる。
ミステリーとしては、割とオーソドックスな構成と思いますが、物語の底辺にながれつづける「2000年まであとわずか」という雰囲気が緊迫感をつのらせます。
というか、2000年問題は現実問題なんで、小説の中だけのお話と片づけられないところに空恐ろしい感じがしています。
「無責任の構造」
岡本浩一著、PHP新書、660円
不祥事に潜む無責任体質を解明する・・・ということで,実際に調査委員として携わったJCO臨界事故を具体的な例とし,モラルハザードのメカニズムに挑む。またそれを克服するテクニックについても心理学的なアプローチで迫る。
特に,組織や集団で起こりやすい人間の弱点を知るということは,それを予防する上でも非常に重要。多くのサラリーマンや経営者に読んで欲しい一冊。
・JCO事故はなぜ起きたか
・同調と服従の心理的メカニズム
・選択ミスが生じる確率のわな
・属人主義と属事主義
・自己主張と説得の方法論
・造反積み重ねのプロセス
・価値観,態度の内面化
・職場の権威主義
・責任を遂行するための個人戦略
・トップの責任について
「無節操な日本人」
中山治著,ちくま新書,660円
政策や理念の異なる政党同士の連立・離散や,女子高生の「援助交際」と称した売春・・・,日本人のこの無節操ぶりはどこからくるのか?
振り返れば,「あの憎き鬼畜米英」を呼号した国民がすぐにはもう「マッカーサーの子供を産みたい」とまでの豹変ぶりを示した。本書では,日本人は他国民のように行動原理を持つ必要なく今までやってこられた「情緒原理主義者」であると分析。その上で,今後の日本にとって重要な国家戦略のあり方を提示する。
言いえて妙の部分もあるし,おおいにうなずかされる点も多い。ただ,本当かな,ちょっと極端すぎるなというトーンもある。
思うに,マスコミの影響ってかなり大きいのではないか,特に日本ではそんな雰囲気が強い。
「
できる無線LAN」岡24sevenコネクション&インプレス書籍編集部編,インプレス,1580円
BUFFALOのAirStationをベースに,無線LANの導入をわかりやすく解説。無線LANのメリットや仕組みから始まって,具体的な機器の設定方法まで丁寧に解説されています。
「メガバンクの誤算」
箭内 昇著,中央新書,820円
『期待されて誕生した4つのメガバンクは、今や総崩れに近い状況に陥り、欧米の大銀行との間に大きな較差が生じた。直接要因はバブル期の不良債権だが、背景には、壮大なカルテルと横並び体質がある。合併はこの旧体質から抜け出せない中での自殺行為だった。再建への道は険しいが、「急がば回れ」の王道を行くしかない。そのために必要なことは、旧世代の残滓の一掃、時代に適った体質改善、国民の信頼回復である。』
大銀行に対して非常に厳しいトーンですが、ほぼ正しいのではないかと私は思います。そう思わせる勢いと緻密な説明がこの本にはあります。
本書は、ニュースステーションでも取り上げられました。その直後に、一気に売り切れ状態になり、一時的に書店から姿を消しました。つまり、それだけの国民から興味をもたれたものなのです。しかも新書ということで、安価で手軽に手に入った。
こうした実態を多くの人々が認識し、自分自身の問題として考えることから、改革というものは始まるのではないかと思いました。
「目からウロコの幕末維新」山村竜也著、PHP、1350円
1853年のペリー来航から、1871年の廃藩置県まで、いわゆる教科書的な平面的なものでなく、時代の流れを軸にていねいに解説していきます。
中学や高校の授業で一応はやったはずなんだけどあまり印象に残っていません。やはり、あまり入学試験に取り上げられていないということと、授業そのものが押して、最後の近代史はかなり適当に飛ばされてしまったというのもあるかもしれません。
でも、実は、この幕末から明治維新を学ぶことこそ大事なのではないかと思います。きっと、昨今の日本のさまざまな出来事や失敗について、この近代史をきちんと理解して参考にしておけば防げたこともいっぱいあったのではないと思えます。それだけに残念な気がします。
この本は、入門編という点も意識しており、非常に分かりやすい書き方です。とはいえ、内容は軸がしっかりしているので、安心して順を追って読んでいけると思います。
「目からウロコの近現代史」河合敦著、PHP、1350円
西南戦争から太平洋戦争終結まで、要するに「目からウロコの幕末維新」を受ける形で、こちらも非常に分かりやすく解説してあります。
近現代史は、幕末維新よりもさらに学校では教えにくいし、教える時間もとられないでしょう。だからこそ、こういう本でしっかりと認識を改めて見ることをお勧めしたいのです。もちろんこの本だけでいいとは思いませんが、ただ、かなり網羅的に取り上げられているので、ここでざっと全体の流れを押さえておいて、さらに突っ込んだ詳細の専門書やあるいは別の視点でかかれたものを読んでもいいと思います。
大正デモクラシー、第一次世界大戦時の成金バブル、そして世界恐慌・・・現代の日本において、こういう歴史に学ぶ価値は大きいと思いますよ。
「めざせ!CEO」
ジェフリー・J・フォックス、万来社、1300円
どうすればトップになれるのか・・・ビジネストップになるための74のカギがシンプルにまとめてあります。毎日1つ,じっくりかみしめてみるのもいいでしょう。
・給料の一番高い仕事を選びなさい
・スタッフ部門を避けよライン部門につけ
・人事部に出世プランをゆだねるな
・”いける”と思ったらそれに賭けてみなさい
・目立ちなさい”実行あるのみ”です
・社内の抗争に巻き込まれるな
・部下をいい気分にさせる10の言葉
・営業マンの目で仕事を見なさい
・書類でなく製品を生み出しなさい
・アイデアキラーに負けないこと
「愛逢い月」
篠田節子著、集英社文庫、438円
短編集。
甘く切ない恋の至福のときは短くて、頂点を極めたあとにはただ、執着と妄想に満ちた永い時間が続くだけ・・・
恋と恋の残滓の中にひそむ、恐怖とサスペンスとミステリーを描く愛の終わりの物語集。
「儲かるパン屋
開店開業・運営 実践マニュアル」廣瀬満雄著、アスカ、2000円
朝一番早いのは、パン屋のおじさん・・・
パン屋開業のためのマニュアル集。パン屋をまじめに経営しようとするととっても大変です。
著者本人が、無添加にこだわったパン屋を経営しつつ、パン屋企業のコンサルタントや教育も実施。生の声が聞こえてくるように思います。
「モテる技術」
デイビッド・コープランド/ロン・ルイス著,大沢 章子訳,1,600円
とりあえず私はすでに知っていることばかりでした。当たり前の事が書 いてあるだけです(ちょっと傲慢?)。
でも,知っているのと実際に行動に移せるのとはまた違うんだよねえ。 「なぜ、あんなヤローがモテるんだ」と思ったら、コレ読んでがんばれ!
「カリスマ」・デーティング・コーチが贈る、究極のハウツー・ラブ& サクセス。必要なのはちょっとした行動力と技術なのだ!
「もの食う人びと」
辺見庸著、共同通信社、1500円
「長年の飽食に慣れ、わがまま放題で、忘れっぽく、気力に欠け、万事無感動気味の、だらりぶら下がった、舌と胃袋。こいつらを異境に運び、ぎりぎりいじめてみたくなった。」
ということで、バングラデシュ、旧ユーゴスラビア、ソマリア、チェルノブイリの現在の食文化をみずから体験しながらつづったドキュメント。
文句無しにおもしろいと思いました。
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