別館:ら行
「リスクてんこ盛り」 村野まさよし著、実業之日本社、1400円

リスクってなんだろう。
普段何気なくすごしていることが実は結構なリスクだったりする。逆に非常に危険だと思っていることが統計的には意外と低確率だったりする。
たとえば、人が100万人に一人死亡するリスクを確率で捕らえると、自動車の走行が100kmに対し飛行機の飛行は650kmとか。。。
目からうろこのエッセイ集。

「リッツ・カールトン物語」 日経BP社編、日経BP社、1800円

リッツには一度泊まってみたいと思います。大阪にもできたらしいので,そちらでもいいですし,米国でもどこでもかまわないので。
私がリッツでもっとも興味を持っていることは,「We Are Ladies and Gentlemen Serving Ladies and Gentlemen(紳士淑女をおもてなしする私たちも紳士淑女である)」という基本精神。しかもこの一文が入った「クレド」とよばれるラミネートカードをスタッフが常時携行しているということなのです。
また,人が動くとどうしてもミスは付きものなんですが,この「ミス」を「オポチュニティ」と呼び,今何が問題なのか,改善すべき点は何かということについて,組織全体として前向きに取り組む姿勢も非常に興味深いのです。
まあ,だからこそ固定ファンがついているのでしょうが。

写真がふんだんにつかってあり,ページを繰るだけでも楽しい本書。リッツファンでなくともぜひ一度見て欲しい本です。

「楽園」 鈴木光司著、新潮文庫、480円

いつかきっとめぐり逢える。この想いがつづく限り・・・・。太古のモンゴル砂漠で暮らしていた男女が、他部族の襲撃により離れ離れになってしまった。伝説の赤い鹿の精霊に導かれた男は、最愛の妻を追う。そして18世紀の南太平洋の小島で、現代のアリゾナの地底湖で・・・・。一万年の時と空間を超え、愛を探しつづける壮大なファンタジー。第2回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

「リスク」 ピーター・バーンスタイン著、日本経済新聞社、2200円

リスクとは、必ずしもネガティブなニュアンスではなく、新たな可能性を切り開く意味もある。
本書では、古代から現代にかけて、人類がリスクという概念に目覚め、それをうまく応用していく歴史が語られます。
最終的には、証券に関するお話に終始するので、ちょっとなじみのない人には難しい内容になっていしまいますが。
リスクをとる際の人の心理など非常に興味深いです。

「リプレイ」 ケン・グリムウッド著,新潮文庫,600円

ニューヨークの小さなラジオ局で,ニュース・ディレクターをしているジェフは,43歳の秋に死亡した。気がつくと学生寮のいて,どうやら18歳に逆戻りしたらしい。記憶と知識は元のまま,身体は25年前のもの。株も競馬も思いのまま,彼は大金持ちに。が,再び同日同時刻に死亡。気がつくとまた・・・・・。人生をもう一度やり直せたら,という窮極の夢を実現した男の,意外な,意外な人生。
少しくどいかなと思いながらも,大変楽しく読めます。なんといっても主人公が1ページ目で死んでしまうという設定からして他に例がないですね。

「理由」 宮部みゆき著、朝日新聞社、1800円

1998年週間文春「ミステリーベスト10」第一位。1999年版「このミステリーがすごい!」第三位。1999年上期(第120回)直木賞受賞。
6月の嵐の夜、荒川区の超高層マンションで起きた惨殺事件を中心に、その事件をとりまく人々の心のあやまでも克明に描かれた長編ミステリー。
ミステリーというよりも、登場人物の心理描写が鋭い社会派小説(なんて最近もいうのか?)という感じがする。
タイトルの「理由」は、この殺人事件がなぜ起こったのかだけではなく、さまざまな「理由」を意味している。事件に関する些細なことについてもそれなりの理由があり、その理由が積み重なって大きな事件を引き起こす(構成する)ということを改めて認識させられる。
内容はまったくの創作だが、登場人物へのインタビューを重ねてゆく構成がリアルで、ノンフィクションと勘違いするかもしれない。

「龍の契り」 服部真澄著、祥伝社、1800円

香港返還を舞台とした、国際謀略サスペンス。
イギリス、アメリカ、日本、中国のそれぞれの思惑と、アヘン戦争以来の歴史が織り成す時空を超えたミステリー。
読み応えがあります。実におもしろかった。
壮大なストーリーと、緻密な展開描写は、フィクションだとはわかっていつつも、「ひょっとして真実は・・・」などと思わせます。

「リング」 鈴木光司著、角川ホラー文庫、560円
同日同時刻に苦悶と驚愕の表情を残して死亡した四人の少年少女。その中の少女の叔父である浅川は事件に不審を抱き調査を始めた。
ビデオテープがキーとなって物語は展開。
実際のからくりとしては、「なーんだ」というものなんだけど、単なるホラーとしての恐怖だけでなく、なんだか訳の分からない不気味さが実に恐い。

「らせん」 鈴木光司著、角川書店、1500円
「リング」の続編。
なんと浅川は交通事故で死んでしまう。そして対処を施したはずの家族はみな死亡していた。
前作でビデオテープがキーだと思っていたのが、実は意外な展開に。
怨念、本の出版、ウィルス、DNAといったものにことが発展。
個人的には、この3部作の中ではこれが一番楽しめた。

「ループ」 鈴木光司著、角川書店、1600円
そして終局編。
なんかものすごいことになっています。
今一度「リング」にかえってみたりすると「おいおい」って感じ。

しかし、物語としては実ににおもしろい。通信屋として興味をえらくそそられるところも登場する。この人(鈴木光司)は、最初からここまで考えていたとしたら、すごいとしか言いようがない。
そして、
「バースデイ」 へ。
「冷静と情熱のあいだ(ブリュ/ロッソ)」 辻仁成/江国香織著、角川書店、いずれも1400円

同じタイトルで、それぞれ男性と女性の両面から描いたラブストーリー。
静かに静かに時が流れていくさまは、読んでいてここちよい。そして、相互に話しが織り成す立体感が非常にリアリティを醸し出す。
どっちから先に読むかは結構悩むところであるが、江国の方から読む方を私はお勧めする。その方がハッピーエンドだからである。

「連鎖」 真保裕一著、講談社文庫、620円

チェルノブイリ原発事故による放射能汚染食品がヨーロッパから検査対象外の別の国経由で輸入されていた。厚生省の元食品衛生監視員として、汚染食品の横流しの真相究明に乗り出した羽川にやがて死の脅迫が・・・
後半やや複雑になりすぎて一読でわかりにくいところはあるが、重量感にあふれ意外性に満ちた、第37回江戸川乱歩賞受賞のハードボイルド・ミステリー。

「R.P.G.  ロール・プレーイング・ゲーム宮部みゆき著,集英社文庫,476円

宮部みゆき初の書き下ろし文庫。500円玉ひとつでかなり楽しめます。
ストーリーはネット上の擬似家族の「お父さん」が殺されたその謎解き。「おぃおぃ」みたいな意外などんでん返しもあり,一気に読めます。
シーンはほとんどが警察の取り調べ室で,登場人物も非常に限定されています。その意味では,例えば三谷幸喜の脚本のドラマや舞台のような印象が残り,違和感がない非日常的な感じが非常に面白いと思いました。

「老人力」 赤瀬川原平著、筑摩書房、1500円

ろうじん-りょく【老人力】
物忘れ、繰り言、ため息等従来、ぼけ、ヨイヨイ、耄碌として忌避されてきた現象に潜むとされる未知の力。
−-がついてきた【老人力−】
ぼけ、ヨイヨイ、耄碌の婉曲表現。「近頃、すっかりあのアレがついちゃって、どうも思い出せない、何ていったかねえアノ・・・」「−-ですか?」「そうそう−-、−-。どうしてわかったの?」
[かぞえ方]一本。

「宵越しの情報を持たない」なんて、なかなか素敵です。

「朗読者」 ベルンハルト・シュリンク著、松永美穂訳、新潮社、1800円

ドイツの、ドイツならではの悲しい恋のお話。
15歳の少年ミハエルは21歳年上のハンナに恋をしました。
ハンナは実は忌まわしい過去を隠していました。しかしそれは歴史がそうさせただけであり、それだけで彼女を責めるのは酷というものです。でも、それを一番責めていたのはハンナ自身だったのでしょう。こういう事実があったこと。これは忘れてはなりません。
もうひとつハンナが隠していたことがありました。その結果としてミハエルはハンナの「朗読者」となったのでした。刑務所に入ったハンナにテープを送りつづけるミハエル。彼にしてみれば最大限の愛情表現だったのでしょう。
しかし、ラストは難しかったなあ。

「論破できるか!子どもの珍説・奇説 松森靖夫著,講談社ブルーバックス,820円

「ビルの屋上が暑いのは、太陽に近いからだね」
「北極から南極につながる穴を掘って石を落とすと、地球を通り抜けてどんどん下に落ちていくよ」
「宇宙人がいる確率は二分の一だよ。だって「いる」か「いない」かだもん」
「ママのおへそと僕のおへそは、へその緒でつながっていたんだよ」
「太陽から出てくる光が日光で、月から出てくる光が月光だね」
「キリンは首が長くて、心臓から出た血液が頭まで届かないから、貧血気味だよ」
「0÷0=1だよ。だって、3÷3=1だもん」
「砂鉄は磁石につくから鉄だよ」
・・・・ってちゃんと正しく答えられます?

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