情報処理技術者試験にまつわるエトセトラ
ここでは、情報処理技術者試験にまつわる、よくある質問や疑問などについて、私なりに思ったことなどを語ってみたいと思います。
新しい試験制度について

2001年春の試験より試験制度が変更になります。

[新たな試験区分]
・システムアナリスト試験
・プロジェクトマネージャ試験
・アプリケーションエンジニア試験
・テクニカルエンジニア試験
  ネットワーク
  データベース
  システム管理
  エンベデッドシステム
・上級システムアドミニストレータ試験
・システム監査技術者試験
・ソフトウェア開発技術者試験
・情報セキュリティアドミニストレータ試験
・初級システムアドミニストレータ試験
・基本情報技術者試験


[概要]
・利用者側の区分として「情報セキュリティアドミニストレータ」新設(秋期)。
・テクニカルエンジニアを大きなくくりとして,その配下にネットワーク(秋),データベース(春),システム管理(春),エンベデッドシステム(春)の4区分を設置。このうち「システム管理」のみ午後2で論文あり。その他は午後2は事例解析。
 ※「システム管理」は現行の「運用管理」,「エンベデッド」は現行の「マイコン応用」に匹敵する区分。
・「第一種」およびは「プロダクションエンジニア」に代わって「ソフトウェア開発技術者」を設置(春期)。
・「システム監査技術者」を開発者でも利用者でもない第三者のカテゴリとして定義。
・「プロジェクトマネージャ」が春から秋へ時期変更。
・「システム監査技術者」が秋から春へ時期変更。
・「第二種」に代わって「基本情報技術者」を設置(春・秋)。
・「年齢制限」を撤廃。
・アナリスト,上級シスアド,監査等に求められていた「業務経歴書」は廃止。
・午前の問題の出題数が減少(80問→50問または100問→80問)。
・「システムアナリスト」「プロジェクトマネージャ」「アプリケーションエンジニア」の午前の問題は共通問題となる。

[所感]
・実体は現状とあまり変わりがないように感じる。
・採点基準や合否判定基準などを明示したり,合否発表を今よりも早くするような改訂が望まれる。
・業務経歴書や年齢制限が撤廃されることにより,実務と乖離した資格になる懸念がある。
・通産省が別途進めている「ITコーディネータ」資格制度や中小企業診断士資格の改訂との関連が今後どうなっていくかまだよく見えていない。


詳細は,下記URL情報処理技術者試験センターの発表記事をご確認ください。
(「産業構造審議会情報産業部会人材対策小委員会中間報告」もなかなか興味深いです)
http://www2.jitec.jipdec.or.jp/sinseido2001/sinseido01.html
(2000.7.7)
試験合否は運か?

私の場合は、例えば上級シスアドは1回目試験で合格しましたが、多分に運もあったかなと実感しています。
資格者証を手にしたときは素直にうれしかったんですが、一方で「ぎりぎりで不合格になった人とそんなに差はないかな」とも思ったのです。

特にこの情報処理技術者試験のような認定資格(この資格がないと何かができないとかいった免許のようなものではない)では、合格者と不合格者の差は資格者証があるかないかの差ぐらいにしか思えないことも、日常の業務の中で感じることがあります。ここらへんの評価は非常に難しいです。
ただ、不合格者と一言にいってもピンから切りまであるわけで、また運と片づけるのも一生懸命勉強して合格された方には失礼でしょう。

「不運にも合格できなかった人もいるだろう」くらいの認識がいいところではないでしょうか。

システムアドミニストレータ(SD,AD)の守備範囲

例えば、周りにしっかりとしたシステム監査技術者やシステムアナリストやネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストや運用管理エンジニアやアプリケーションエンジニア。。。がいるような理想的な環境であれば「SD、ADの守備範囲」を適切にこなして、その他はそれぞれの専門家に任せるなんてことはできるのかもしれないですが、あまりに非現実的に思えます。

特にSDにおいては「利用部門における情報化リーダー」と言われますが、その部門内においてはそれぞれの高度資格の業務も期待されているはずで、それを「守備範囲外だから」という理由で避けていては情報化は遅々として進まないことでしょう。
利用者とシステム部門との中間的な立場(やや利用者より)ということで、そのSDの裁量と努力で守備範囲はいくらでも変えることができると思います。
カリキュラムは一つのモデルであると見た方がよさそうですね。

#試験と実務との乖離はこの辺から発生してくるのだろう。

私は今は情報システム部門側の立場ですので、立場が変わるとまた見方が変わるかも知れません。
ただ、しっかりした情報化リーダ(SD資格のあるなしはあまり関係ない)がいる利用部門であれば、システム構築や業務フローを考える上で非常にスムーズにことが運ぶのは事実ですね。

システムアナリストの市場!?

先日HP−WORLDの「トップアナリストフォーラム」にて、パネルディスカッションを傍聴しました。
テーマは「日本企業は、情報化時代にどう生き残るか」というもの。
ディスカッションの内容はともかく、パネリストの方々(5名)が、それぞれ自らのことを「アナリストです」といったり「コンサルタントです」と名乗ったりして、差別化を図ろうとしていました。

(ここでいわれている「アナリスト」とは、「業界アナリスト」だったり「情報技術アナリスト」だったり、いわゆる通産省が「システムアナリスト」として定義する人材像とはちがうものかも知れません)

でも、ディスカッションの内容を聴くに、私には少なくともその違いが明確にはわかりませんでした。

ということで、「システムアナリスト」の一般的な認知度が今一つの状況では、「システムアナリストの市場」もあまりピンときませんよね。
結局、一般的には「コンサルタント」ということになるのでしょうか。

一般企業における資格取得補助について

会社のポリシーにもよる部分なのであまり立ち入ったことは言えませんが・・・
会社としては社外資格にあまり固執しない方がよいのではないかと思います。そうしておけば、実務とのバランス、不合格時のモチベーション低下、社内の人間関係悪化などの懸念点はかなり解消されます。

ただし人事考課としては当然考慮します。これは通産省の情報処理技術者試験や他のベンダ系情報処理資格に限らず、自己啓発しているということでの評価になります。

もちろん、会社として「この資格は取ろう」という重点施策を打ち出すのはいいと思います。この場合は、取得者にそれなりの評価(手当てまたは一時金など)をすればさらに効果があると思います。
ただ、この場合は、情報処理試験の性格上、資格手当より一時金の方が良いと思います。
免許資格であれば、資格を持っていること自体に意味がありますが、情報処理試験の場合はご存知の通りそういうものではありません。時間がたてばその合格も陳腐化します。
その意味で極端に言えば、毎年同じ区分を受けて毎年合格したらその度に一時金を支給するのもいいかもしれません。
あと、一時金目当ての資格取得というのは動機が不純かも知れませんが、何も勉強しないよりはましですから。
この点に関しては、会社の業務との関連を重視するのも一つの手です。
#昔聞いた話しですが、ある会社で「秘書検3級」に資格手当を支給することに
#なったそうで、秘書業務に関係のない者まで受験し手当てを払うはめになった
#ため、この手当てをすぐに廃止にしたそうです。

いずれにしても、社内の評価の参考程度に考えるのがよいと思います。これは、情報処理産業であるなしにかかわらず同じではないかと思っています。
将来、情報処理資格が義務づけられた場合(たとえば、システム監査は監査技術者資格者でないとだめとか)はまた考え直す必要があるでしょう。

ただ、合格したことに対しては、一時金や人事考課以前に文句なしに「よく頑張った」と評価してあげたいですね。
思うに、「資格取得しました」と報告してくるのは、一種の自己申告ではないでしょうか。


学習方法(独学、通信教育、スクーリング)についてですが、私はこれまで独学でやってきたので具体的なお話はできません。
一般論でいえば、
 コスト面で      独学<通信教育<スクーリング
 学習効率で     独学<通信教育=<スクーリング
 意識づけという面で 独学>=通信教育>スクーリング
と理解しています。(一般論なので例外はたくさんあります)
一人だとどうしても妥協してしまう。一緒に頑張る仲間がいれば頑張れるというのは事実だと思います。
その意味で、通信教育と独学は結構近いものがあるかもしれません。
反面、人知れずこっそり頑張りたいという人もいますが。。。
また、それなりに投資するということは非常に大きな意識づけになると思います。

ということで、私の中の結論としては、結局は本人の気持ち次第という前提のもとに、通信教育の一部費用を会社が負担する(ただしやり遂げた時のみ)というのがもっとも効果的かなと思います。

最後に、
私は一般企業の情報システム部門に携わる身ですが、システム開発協力会社の選定においてその情報処理技術者資格保有者の数は気にしたことはありません。
むしろ、結局のところしっかり成果のだせそうな人をよこしてくれるかどうかがキーになります。
またたとえ、その人から「システムアナリストを持っています」といわれても、結局こちらが望む成果が出せなければ意味がないわけです。
じゃ「資格取得は意味がないか」というとそうではなく、資格保有者の方や資格をきちんと評価している会社は「はずれ」が少ないという印象があります。

名刺の資格について

特に旧制度の時は、情報処理資格の最高峰的な意味合いで、システム監査と表記されている名刺を見るとちょっとびびったりしました。

ところで現在、私の名刺には資格名は入っていません。
これは、名刺そのものは会社のものであり、業務上認定していないものは名刺上に記載してはならないというルールによるものです。
情報処理をなりわいとしているならいざ知らず、一般企業であれば、情報処理技術者を認めたら、簿記は?秘書検は?工担は?無線従事者は?と、きりがないのでしょうね。
#ちなみに資格手当も出ません。

とはいえ、このルールができる前に一度だけ「特種情報処理技術者」と入れたことがあります。
当時仕事で、他社のシステム部門の方や、メーカ、ソフトハウスの方々大勢とお会いすることが多かったんですが、この資格名のおかげで話しが早かったり、有利に話しを進めることができたり、話しのとっかかりとすることができたりと、非常に有効でした。

まあ、自己満足といわれればそれまでなんですが、名刺に記されていなくてもできるやつはできるし、成果でアピールできればいいかななんて思っています。
結果として、周りに対して、自分のもっている資格の認識をUPできればいうことはありません。
#ただ、合格一時金くらいは欲しいなとは思いますけどね。

私自身、資格試験にチャレンジするということで、多くの方と知り合えることができました。これは、試験に合格すると同じくらい大きな喜びでもあります。

経営コンサルタントについて

日本は欧米に比べてコンサルテーションとコンサルタントに対する認識がまだ未熟で、うまく機能していないとのこと。
これは、コンサルタント側とコンサルを受ける側と両方に問題があると指摘されています。
ただ、まだ日本ではコンサルタントの絶対数が少ないため、逆に言えば今後大きく発展する可能性があるということです。

実際のところを知らないので、うのみにしてしまっていいのかどうかは判断しきれませんが、日本型ともいえる独自のコンサルタントスタイルを、コンサルタント側もコンサルを受ける側も考えていく必要があるのかなと感じました。

アナリストと監査と上級シスアド

カリキュラムからみると、

アナリストは、
  経営戦略に基づいた情報システムの計画、企画・立案の知識・能力を修得。
  統括責任者を目指す方。
一方監査は、
  情報処理・経営管理・監査の知識・能力を修得。管理責任者を目指す方。

と定義づけられています。

なんとなく似ているようにも見えますが、アナリストはより「経営」を意識し、監査は当然「監査業務」を1番に意識する点が大きな違いですね。
実際の企業の立場で考えると、取締役と監査役という違いでしょうか。
私見ですが、監査の方がよりスペシャリスト寄りのイメージがあります。

ただ、「システム監査技術者」でなければシステム監査ができないということでもないですし、逆に「アナリスト」でなければ経営戦略立案ができないということもありません。

この辺は、上級システムアドミニストレータも含めて、実際にはその分界点を明確に定義できないように思います。

「どうせ難しい試験」という見方をすれば、アナリスト/監査/上級シスアドどれも同じように思います。難易度やマクロでとらえた試験問題の内容もかなり似通っています。
ですから、あとは、個人の興味でしょうね。
監査にすごく興味がある人は「監査」からアプローチするのがとっつきやすいでしょうし、経営に興味があれば「アナリスト」ということになります。
より、ユーザよりならば「上級シスアド」ということでしょうか。

一般に、ソフトハウスにはシステムアナリストのスキルは期待されず、システム監査としての知識は要求されるという点、なんとなくわかります。

結局、経営戦略ですから、その経営に携わる本人がどう考えるかに依るわけで、ソフトハウスの範疇ではないということなのでしょう。
そう考えると、結局企業内SEがアナリストとしてのスキルをもっとも要求されるということになります。
あと、コンサルタントの立場はどうかという点なんですが、まず経営に携わる人間をサポートする、またはノウハウを提供するというのがまずあると思います。
ただ、実際には経営戦略に携わる本人よりも実際の作業や企画にかかることが多いでしょうから、アナリストのスキルは必須ですよね。

もっとも現実に、しっかり考えている「賢いユーザ」がどれだけいるのかと言われると非常につらいものがあります。現実には、コンサルタントをはじめ、いろいろな方々の力があってなんとかなっているというのも否定できません。

一方、ソフトハウスの立場についてですが、単にユーザからの要求仕様にしたがって製造するだけでは、今後淘汰されていくという不安をほとんどのソフトハウスが抱えているのではないかと思います。ソフトハウス内のSEも同じような感覚で、個人的にも自らのスキルアップを考えている方が大勢います。
私は、今後ソフトハウス自体もコンサルタントの領域に近づいていくように思います。その意味で、ソフトハウスの方がアナリストを目指されるのは自然だと思うのです。もちろん実際の業務で必要となる、監査のスキルの方が先だと言われてしまえはそれまでですけどね。

と、いろいろ考えてみたのですが、やはり、「システムアナリストとは何だ」とか「システムアナリストはどうあるべきか」ということにうまく自分自身で回答を出せていないことを痛感します
テキストや書籍にかかれていることも非常によく分かるんですが、なんか実感というレベルで釈然としないのです。
一度、現実の経営に携わってみないとわからないのかもしれません。

これからも、いろいろと考えてみようと思います。

情報処理技術者資格は使えるか?

現実の場面においては、資格だけでは仕事はできないということ、まったくの事実だと思います。
いくら、「私は監査持ってます」「私はアナリストです」と言ったところで、成果の出せないコンサルタントは不要です。
その意味では、監査/アナリスト/上級シスアドさらに診断士の区別はあいまいなように思えてくるのです。
ただ、ならば資格は不要かというとそんなことはないと思います。
Certificationということで、自身にとってはは自信の証であり、外目には最低限の保証という意味に捉えています。

ちなみに、私が後輩から資格取得について質問を受けた時は、こう答えるようにしています。
「一般論を知ることは大事で、即戦力の知識とか直接業務に役立つとかはあ まり期待できないけど、何か困ったときの解決のきっかけになるはず。 だから頑張って資格を取りなさい。 ポイントは、
 ・資格を取るというよりも、そのプロセスが大事。
・資格を取った後その知識をさび付かせないようなフォロー続けること。」


私自身がコンサルタントではないので、勝手な想像ですが。。。。
問題の本質が、情報戦略や経営戦略であることが見えているだけに、もどかしい部分があるんですよねきっと。ただ、その辺をいかにうまく気づかせるかも、コンサルタントのスキルだと思います。
ここらへんの葛藤が、コンサルタントの苦しみでもあり醍醐味なのかなと勝手に思っていたりします。
#でも、こんなこと、情報処理試験のテキストには記述にないですね。まあ、当然といえば当然ですが。

情報処理技術者資格の評価について

私個人の意見としては、結局「個人の自由」なんですが、一般論から考えるに、「高度の前にまず一種の内容を知識としてしっかり身につけよう」ということになります。そのための一つの指標というか目標が一種受験でもいいかなと思います。ただし、本当の目的は資格取得よりももっと先にあるとも思っています。
#ちなみに私は一種も二種も持っていません。

ところで、情報処理技術者資格の企業内における評価は、実態としてどのようなものなのでしょうか。
種別にもよりますが、取得一時金で50万とか、資格手当月額10万だとか聞いたこともあります。これらはいわゆる情報処理をなりわいとしている企業の話だと思います。
一方、一般の企業ではその認知度は薄く、資格手当などないところも多数あると思います。

情報処理技術者の資格は、別に法的に義務づけられているものでもなく、また資格がなければできないというわけでもないので、特に一般企業では評価する方もされる方も意識が薄いということでしょうか。
まあ、一般企業内ではペーパーライセンスであることも往々にしてあるわけで、本業に直接関連のない資格に手当てなんか出せるか!というのもわからないではないです。

ただ、今後システムマインドはあらゆるビジネスシーンに必要とされるわけで、その時の個々の判断の裏付けはその人がそれまでに蓄積してきた知識であり経験なわけですね。その客観的な評価が資格ということでしょう。
こうなってくると、企業にとらわれない個人の問題でしょうかね。

それと併せて、自分の所属する企業が評価してくれるとうれしいのはいうまでもありません。

私は、今もっている資格は自分自身の「懐刀(フトコロガタナ)」だと思っています。しかもこの刀は、手入れをしなければすぐにさび付いてしまいます。

#ちなみに当社は情報処理技術者への資格手当はありません。通信教育の費用の支援が一部あるのみです。

情報処理産業以外の企業にいらっしゃる方で、この辺に関する意見をお持ちの方がいらっしゃいましたらご意見をお聞かせいただきたいと思います。
また、資格手当についてうちはこんな感じだというのがあれば教えていただければと思います。

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