第1章 プロジェクトの定義
1.1 プロジェクトの位置づけ
プロジェクトとは、本来の組織を超越し、特別なテーマの解決、実現を目的とした期間限定活動である。通常、そのプロジェクトのための特別なチームを構成して行われる。
プロジェクトメンバに対する指示命令系統は、プロジェクトリーダが全て統括し責任を持つ。当プロジェクト期間においては、本来の組織上の指示命令系統は中断するかたちとなる。
1.1.1 プロジェクトの立ち上げの諸条件
プロジェクトの立ち上げに際しては、下記の条件について考慮、策定し、明確にしておく必要がある。プロジェクトリーダはプロジェクトの立ち上げに際し、下記の件について、責任をもってメンバに示す必要がある。
・ プロジェクトの対象範囲(WHAT)
・ プロジェクトの目的(WHY)
・ プロジェクト遂行の手順(HOW TO)
・ プロジェクトの期間
・ プロジェクト完了の要件
・ プロジェクト全体のスケジュール概要
・ プロジェクトの体制、メンバ構成
・ 各担当の役割分担
・ 各作業の定義
・ プロジェクトに関する知識、技術
・ プロジェクトの開発環境、ツール
1.1.2 プロジェクトの実体
(1)プロジェクトを乗り切る4つの大きな力
a.技術力(テクノロジィ)
・ 基本技術、応用技術
・ システム、ソフト、ハード
・ 開発力、実力
b.管理力(マネジメント)
・ 管理(計画、統制、評価、工程、品質、生産性)
・ 規則、規定
・ ツール(マニュアル、ソフトウェア、ハードウェア)
・ 政治力(交渉力、折衝力、説得力)
・ 目標達成力、教育、健康管理
・ リーダシップ
c.精神力(メンタル)
・ バイタリティ、情熱、勇気
・ 志気、気力、モチベーション
・ やり甲斐
d.体力(パワー)
・ 健康、ピークを乗り切る力
・ セルフコントロール
・ プロジェクト期間中の要員交替は不可
(2)プロジェクト管理サイクル
PLAN−DO−CHECK−ACTIONの管理サイクルでプロジェクトを実行する。
a.PLAN(計画)
目的、目標、戦略、計画(日程、負荷)
b.DO(実施)
実作業(開発、テスト、運用)
c.CHECK(評価、統制)
基準をもとに、PLANに照合し評価
d.ACTION(修正、改善)
障害対応、メンテナンス、保守
(3)制約条件
プロジェクトを遂行していくにあたり、さまざまな制約条件が発生する。これらの対策を事前に考慮しておくことは、プロジェクトのスムーズな遂行に極めて有用である。
・ 人、物、金、時間
→実現のための工夫、それぞれに見合った効果の積み上げ
現状(課題、現実)
↓
目標、成果物
(4)プロジェクト3つの次元
プロジェクトには大きく分けて三つの次元がある。これらのバランスをうまく取りながら目的に向かって作業を行うこととなる。
次元1:管理(目的、戦略、計画、評価、統制、考え方)
次元2:工程 (上流工程、中流工程、下流工程)
次元3:資源(人、物、金、情報、技術)
1.1.3 プロジェクトマネジメント
プロジェクトリーダは大局的な視点から、プロジェクトに関わるさまざまな事象をとらえ、幅をもった両輪思考(対称的思考)によってバランスよくプロジェクトマネジメントを行って欲しい。
(1)両輪思考(対象的思考)
技術論においてもマネジメントにおいても、物事に対して、その事象の二面性(相反性)を考慮することが重要である。
・ 形式と内容
・ 理論と実際
・ 表と裏(硬軟両面の使い分け)
・ 建前と本音(プロジェクト成功の目的の下に)
・ 理性と情熱(目的は、解決する事)
(2)プロジェクトリーダの実力
プロジェクトリーダとはそのプロジェクトの最高責任者であり最高権力者である。したがって、プロジェクトリーダたるもの、実にさまざまな能力を要求される。以下にその主なものを示すがこれが全てではない。この他、先見性や問題意識なども常に持ち合わせてマネジメントをおこなう必要がある。
a.基本的能力
健康、人間性
b.準基本的能力
資質、態度
c.応用能力
人間関係、教育
d.準応用能力
技術、経験、センス
e.特定能力
管理、政治力


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