1.3 プロジェクト体制




複数のプロジェクトが同時に進行している状況において、それぞれのプロジェクトの上位にPMO(プロジェクトマネージメントオフィス)があり、それぞれのプロジェクトの全体的な管理やプロジェクト間の調整、リソースの最適配分や対外折衝(社内、外)を行う。プロジェクト間を横断的にみた技術的な観点からのサポートを供給すべく、テクニカルサポータを設ける。それぞれのプロジェクト内では、プロジェクトリーダが全権を握り、プロジェクトの舵取りを行う。また、他プロジェクトに対しての意見もし、内部牽制的な役割も担う。サブリーダはプロジェクトリーダのサポートを行う。プロジェクト内構成は、情報システム部員とエンドユーザの混在型で、ユーザニーズの十分反映できる体制にしておく。
それぞれの役割がきちんと定義づけられ、それぞれの担当者が明確に決定され、きちんと機能がはたされることが、プロジェクト全体がスムーズに廻る必要条件である。


1.3.1 各担当の役割

(1)プロジェクトマネジメントオフィス(PMO)
 PMOの役割、責任は非常に大きく、やるべきこともたくさんある。役割、責任をしっかり理解した上でPMOとしての機能をはたすべきである。以下にその機能を示す。これらが曖昧であると、プロジェクト全体の統制がとれなくなり、ひいてはプロジェクトの失敗という結果を引き起こしかねない。逆に、PMOでこれだけの機能を果たすことができないのであれば、機能を細かく分けてそれぞれの担当に振り分けるなどの、明確な権限委譲も必要となる。
・ プロジェクト全体の状況把握
・ 各プロジェクト全体の総括的枠組みの決定および円滑な業務の遂行
・ それぞれのプロジェクトの管理業務サポート
・ 総括プラン、品質管理プラン、開発手法、業務規格、手順、承認、テスト等総括的戦略の策定
・ 各プロジェクトの進捗管理
・ 各プロジェクト間の調整、問題点解決や開発に関わる各種サポートの提示
・ 各種ツール、DBMS選定および導入、プランニング準備、プロジェクト進行のモニタリングとアドバイス
・ 協力会社の比較検討、選定
・ 適切なプロジェクトライフサイクルの開発とドキュメント化
・ 基盤技術全般に関するアドバイス、コンサルタント
・ 継続的なキャパシティプランニング
・ 機能要求に対するガイダンス、アドバイス
・ データモデルの保守と、データベース戦略に対するアドバイス
・ アーキテクチャに関するサポート
・ システム機器構成に関するサポート

PMOの役割を細分化して担当を決めるとすると、以下のような役割が考えられる。
a.プロジェクトダイレクタ
全体の進捗管理、全体的なリソース管理、スキルの管理
b.プロジェクトコントローラ
対外仕様調整および報告、問い合わせ窓口
品質に問題がある場合の差し戻し、工程手戻りを決定する権利ももつ
c.システムアーキテクト
設計、開発基準が遵守されているかのモニタ
d.コンフィグレーションコントローラ
個別のリソース管理、ライブラリ管理、ID発番

(2)プロジェクトリーダ
 それぞれプロジェクトにおける最高責任者、最高権力者である。担当するプロジェクトの管理全般を行い、プロジェクト期間中はプロジェクトメンバの管理者となる。プロジェクトの成否は、このプロジェクトリーダの腕に大きく委ねられ、また逆に、その結果において、プロジェクトリーダの能力が評価される。

(3)プロジェクトサブリーダ
プロジェクトリーダの補佐であり、プロジェクトリーダ不在時には指揮官代理となる。特に、打合せその他でプロジェクトリーダが現場を離れるケースは多々あると想定されるため、プロジェクトの体制を策定する上で、一つの役割として認識し、専任者を割り当てておくことが望ましい。
前述プロジェクトリーダの項でも述べたとおり、プロジェクトリーダの役割は重要である。したがってプロジェクトリーダが不在の際の措置を十分検討しておくべきである。

(4)テクニカルサポータ
技術的な専門知識や経験を積んだ、スキルの高い担当者をプロジェクトの上位に設置し、技術的なサポートおよびコンサルティングを行う。
各プロジェクト間で統一された技術を網羅的に採用し、それぞれのプロジェクト間の整合性を取る意味でも、各プロジェクトの上位に位置づけ、あるいはPMOの一機関として機能することが望ましい。




1.4 開発環境


(1)マシン、周辺機器環境
テスト(特にシステムテスト)を考えると、本番環境と全く同一の開発環境であることが理想である。ただし通常は、開発環境設定のための経費は潤沢に準備されないため、極力本番環境に類似した、特に重要な機能はシュミレーションできる環境を用  意する必要がある。

(2)ライブラリ環境
ライブラリアンを決めて、プログラムやコピー句、JCLなどのライブラリ管理を一元化しておく必要がある。また、テストフェーズにおける障害管理の観点からも、ライブラリ管理は有用で、適切なライブラリ管理によって障害吸収の反映とテストの  続行のための情報がスムーズに流れる。

(3)各種開発支援ツール
現在、市販されている開発支援ツールはさまざまなものがある。また、かなり高価なツールもある。したがって、その選定においては十分検討された上でなければならない。具体的な選定基準としては、まずそのプロジェクトの工程のなかで必要とされるポイントをサポートするようなツールを選定するのがよいと考えられる。逆にポイントのずれたツールの選定は、
a.無統制や無管理のの開発が行いやすくなる。
b.さまざまなドキュメンテーションがおざなりになりやすい。
c.見かけ上の生産性が上がりシステム全体の管理がいっそう複雑になり、困難になる。
などの弊害が露見してくる。
いずれにしても、そのプロジェクトのポイントをおさえた導入であることと同時に、予め開発にかかわる手続きの改善や標準化を進めることが重要である。これらをある程度ふまえたうえでの、開発支援ツール導入は大きな効果を生み出すことであろう。



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