1.6 その他
1.6.1 プロジェクト成功のポイント
プロジェクトを成功に導くポイントは下記に示すものの他にも無数にあると考えられる。これら全てを常に網羅的に認識し、実行できるリーダ、メンバはほとんど皆無に等しいと思われるが、ことあるごとに下記に示したようなことを考慮しながらプロジェクトを遂行していくことは不可能ではない。要は努力次第である。
・ 成功の定義づけ
・ ターゲットの明確化
・ コミュニケーションの重要性
・ 現物主義、現場主義(百聞は一見にしかず)
・ 適材適所
・ 信頼関係
・ 挑戦の精神
・ 人の意見に耳を傾ける
・ 保身のための仕事でないこと(私心がないこと)
・ 嘘は敵
・ 一日一日の積み上げ
・ 決めたら実行する
・ やるべきときはやる
・ 待つことも必要
・ 深い洞察力
・ 集団の力学の尊重
・ 時間厳守(あたりまえのことの重要性)
・ 個人個人のベクトル合わせ
・ 原則は妥協してはいけない(気まぐれではいけない)
・ ユーザ事情の把握
・ 自己の実力の把握
・ ユーザニーズの把握
・ 無理なものは無理
・ 品質が全て、工程は次
・ 成功をイメージする
1.6.2 上流工程におけるシステム企画担当者のあり方
上流工程における、システム企画担当者(いわゆるSE)の主にメンタルな部分でのあり方、およびユーザとの接し方について述べる。
(1)ユーザ事情の把握
・ ユーザ側のトータルな内部事情や人間関係を把握する。ユーザのデシジョンメカニズム(意志決定機構)を知る。
・ 話し合いを成功させるにはユーザ事情を知ることがまず第一歩となる。
・ 自分勝手な解釈でなく、事実を事実として冷静に正確に把握する。
・ 不明な点は全て確認し、ハッキリさせておく。
(2)自己の実力の評価
・ 実力をわきまえない過度の計画は必ず失敗する。その結果、ユーザに迷惑をかけることとなる。
・ 自分自身でできることとできないことを切り分け、できないことはできる人に依頼したり、しかるべき時期がくるのを待つことも必要である。
(3)ユーザ要求の把握
・ 何のために、どのような事情で要求が生じたのかまずあきらかにする。
・ 経済性を念頭において考える。
・ 無理は無理としてはっきり意思表示すべきだが、とりあえず工夫し考えてみること。
・ ユーザからの曖昧な要求から、具体化する。また、ユーザから上手に要求を引き出す。
・ ソフトコミュニケーションを心がけること。ユーザと敵対してしまうことは最悪である。
(4)自己の認識とユーザ要求との間のギャップ
・ ギャップに対する解決策を考える。
・ ギャップを埋める手段としては、技術的工夫の他話し合いによる解決もある。
・ まずは、ユーザに信頼される努力をする。
(5)当初から修羅場にいる心構え
・ トラブルが起きてからでは遅い。
・ 考えられる問題は極力事前に把握し、頭の中で吟味しておく。
・ 予見力、先見性でもSEとしての実力が試される。
(6)システムは設計段階で決まる
・ システム開発においては、何にも増して設計フェーズが重要であり、ここで大方が決まる。
・ 設計の良さの度合いによって、そのシステムのライフサイクルの間の評価がほぼ決められてしまう。
・ 設計時点で取りこぼしたものは、後から必ず大きなツケとなって跳ね返ってくる。
・ 「良い設計者」に必要な資質は「見識が高い」ということである。
・ 見識とは、物事の成りゆきや本質を他より先に見抜く、すぐれた判断力のことである。
・ 良い設計とは分かりやすい設計のことである。
・ 標準化基準マニュアルを作成し、これにもとづいて試験しやすい設計を行う。
・ 本番への移行作業がスムーズに運ぶような設計内容であることが望ましい。また、本番移行後の改訂などに耐え得る設計であることが望ましい。
・ 経済性、安全性を考慮しておくことが必要。
(7)設計段階でより多くの人の知恵を
・ 独善を避け、多くの人の意見に耳を傾ける。
・ 良いことは積極的に取り入れ、悪いことは断固として排除する。
・ 新しい知識、技術を積極的に設計に活用するよう努力する。
・ 機能設計、構造設計、業務プロセス設計を正しく、バランス良く行う。
・ 道義上、通念上、また常識的に筋の通らないシステムは設計してはならない。
(8)ノウハウよりも実践で
・ ノウハウと実践を絡めて、実践の中で力をつけていく。
・ ノウハウで対応できる場面は、きわめて限定的である。
・ 困ったときは現場(ユーザ現場、開発現場)に戻る。
(9)マージナブルな設計
・ 仕様変更に弱い、また性能の実現にリスキーなものに、設計上のマージン(安全余 裕)を考慮する。
・ 全体にバランス良くマージンを持った設計目標をたてる。
(10)試験できないものは設計しない
・ 無責任な設計はしないこと。結局、ユーザに迷惑を及ぼすこととなる。
・ 試験工程をあまり軽視しない。



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