情報倫理
(ISACA1997年11月例会より)
★「情報倫理」とは
情報処理、情報通信に携わる人々の倫理観のこと。
★「情報倫理」をとりまく環境
情報処理や情報通信の急激な発展につれて、この分野にビジネスからも家庭からも、老若男女多くの人々がユーザとして参入してくるようになった。それはきわめて活発で魅力に富んだ世界だが、一方では広範囲な価値観がそこでぶつかり合うことになり、混乱、相克が生じる。
そこで、医に倫理があるように情報通信にも倫理がありうるのか、会計監査人に倫理綱領があるように、情報通信のプロフェッショナルに倫理綱領はありうるのかということが今後大きなテーマになってくる。
★「情報倫理」の端的な例
ネチケット−コンピュータ倫理のための十戒−(Arlene Rinaldy)
1.コンピュータを用いて他の人に害を与えるな
2.他の人のコンピュータ作業の妨げになるな
3.他の人のファイルをかぎまわるな
4.コンピュータを用いて盗むな
5.コンピュータを用いて誤った証拠を得るな
6.金銭を払っていないソフトウェアの使用や複写をするな(著作権の侵害)
7.他の人のコンピュータ資源を許しなく使うな(不正アクセス)
8.他の人の知的アウトプットを着服するな(知的所有権の侵害)
9.自分が書くプログラムの社会的影響を思い起こせ
10.熟慮と敬意を示しつつコンピュータを使え
★「情報倫理」に関する動向
電子情報通信学会で倫理綱領試案を作成し、広く認知啓蒙させていこうとしている段階。
基本方針、社会的責任、社会的信頼、品質保証、知的財産権、ネットワークアクセス、研究開発、実施基準、管理者基準の各観点で綱領を定義。
★「情報倫理」の課題
・罰則規定。
→強烈な反対意見にあい取り下げた。理由は日本の文化に合わないということ。米国等では罰則規定は常識らしい。
自由な研究開発と倫理は相反するものという実態が如実に現れたとのこと。
・セキュリティホール等欠陥を指摘してきた者の扱い
→「よく教えてくれました」と感謝するか、「何か怪しいことをやっていて見つけたんだろう」と疑うか。
[こぼればなし]
罰則規定においのて具体的な罰則としては、1か月間の組織内ネットワーク管理者任務、地域のボランティア活動参加などを考えていたとのこと。
★感想
ひとこと、難しい問題だなーというのが正直なところ。
文化や環境、法制度によって倫理に対する考え方が異なるため、全世界共通の規約というものは難しい。
その意味では、日本国内においてもいろいろな組織(極端にいえば個々人)によって倫理基準は異なってくるだろう。
だからといって結局、個人個人の意識というか常識の問題だななどというと元も子もない。しかしお仕着せの倫理なんて論外だ。
医の倫理といっても、心臓移植、対外受精、生命維持装置、クローン人間・・・・・
どこまで倫理として許されて、どこからがだめなんだろう?
医療技術の発展は結局倫理感とのせめぎ合いだったのか?
ならば情報通信の技術も情報倫理とのせめぎ合いか?クラッカーやハッカーがいたから暗号技術や情報セキュリティが発展したんだろうな。などなど。
まあ、いろいろ考えさせられました。研究する価値はありそうですが、なんだか途方もない感じです。
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